先週、世界で最初の国際平和団体として著名なIFOR(International Fellowship of Reconciliation:国際友和会)の代表として来日中のイギリス、アメリカ、オランダ、ハンガリー、ジンバブエ、バングラデシュ、ウエールスなどから16人の方々が恵泉女学園大学を訪問して下さいました。
大学での平和学や開発学をテーマにした基礎演習合同ゼミでのお話に続いて、小グループで学生の皆さんと、平和、非暴力、和解、国際連合の役割などについて親しく意見の交換をしたり、質問に答えて下さったりして大変に多くの事を学びました。
このヨーロッパ生まれのこの平和グループは、第一次世界大戦後、戦争で戦ったドイツとフランスの真の赦しあいを求めて1914年に発足しましたが、その後世界の各地に非戦の賛同者を得て大きな広がりを見せ、日本では1926年に発足し、新渡戸稲造氏が主導的役割を果され、本学園の創設者の河井道先生も様々な関わりを持っておられました。最初、クエーカーからはじまったこのグループは現在、世界のあらゆる宗派や信条を超えて活動し、その会長やメンバーの中からマルティン・ルーサー・キング博士など6人ものノーベル平和賞の受賞者も出ています。
先週の恵泉へのIFOR訪問者のお一人は、大学での印象を次のように語られました。
「素晴らしい色とりどりの花に囲まれた多摩のキャンパスで、未来の平和な世界をつくりだすためにキラキラ輝いた美しい瞳で学んでおられる皆さんにお目にかかり、話し合いが出来たのはとても嬉しいことでした。平和や開発の実践に経験豊かな先生方の指導のもと、海外研修などを通して学生の皆さんが一生懸命に真の平和について学び、将来、世界の各地で大いに活躍して下さるように願っています。」
また、今年のノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌスさんも、今から2年前の2004年6月に恵泉女学園大学・大学院が共催した講演会で「マイクロファイナンス 30年」というテーマで学生たちに語りかけて下さいました。貧困を克服するための開発をめざした草の根のマイクロファイナンス活動が、大きな変革を社会にもたらし、ノーベル平和賞の受賞へとつながったのです。
このような世界の平和と開発の第一線におられる方々との出会いの機会をとらえて学び、国の内外にネットワークを広げ、「平和をめざす女性の大学」としての恵泉女学園大学創設の精神を更に大きく展開させて行きたいと願っています。