大胆な教育的チャレンジは、恵泉女学園大学の特色です。
恵泉女学園大学は、その建学以来、常に大胆な「いのちの支えあい」の教育の展開に向けてチャレンジしてきました。
まさに、グローバルに考え、ローカルに行動するためにキャンパス内の教室を抜け出す「ダイナミックな学び」と「いのちの支えあい」の機会が全学的に作り上げられてきたのです。
それが、アジアや欧米諸国における短期・長期の体験学習(Field Study)であり、それに加えて、コミュニティの中でのボランティア的な活動などによる新しいタイプのCSL(Community Service Learning)が、人間社会学部において2005年4月から実施されるようになったのです。
最近、本学の人間社会学部・体験学習CSL・FS室により刊行された報告書「CSL創設 3年間の歩み」(その経緯は大橋正明先生、実践は山本悦子先生、今後の展望は上村英明先生が執筆されておられます)には、障がい児のデイサービス、高齢者施設、児童関連(子育ひろば、東京YWCA、養護、保育園)施設、環境保護、地域社会支援、障がい者福祉センターなどでの活動について事前学習を含めた学生の皆さん方による真剣な学びの報告と指導教授による適切なコメントもなされています。
これらの教育の成果が、一昨年度は人間社会学部の取り組みである「専門性をもった教養教育としての体験学習」、そして昨年度は全学的な取り組みである「教養教育としての生活園芸」と2年連続で「特色ある大学教育支援プログラム」に選定され文部科学省による、研究・教育の助成金を得ることへと至ったのは、本学の教職員、学生一同にとって、心からなる喜びでした。
CSLを通して、このような地域社会でボランティア活動をするということは、学生たちにとっては貴重な体験であり、大きなチャレンジだと思います。
私自身、学生時代には、群馬県の児童福祉施設における毎夏のボランティア活動を通して色々なことを学びました。卒業後は、タイ、ベトナム、スイス、アメリカに住んで、それぞれ各地の大学で教育・研究に従事してきましたが、その間、何処に住んでいても様々なボランティアを体験してきました。たとえばフィリピン・パンガシナン県でのYMCA地域復興(PRRM)での公衆衛生活動(トイレット作り)、タイ南部のイスラム地域でのクリスチャン学生グループによる農村開発ワークキャンプ(手作りのミニ・ダム建設)、アメリカでのアーリントン地域の教会をベースにしたホスピスケア・サポートやワシントンD.C.特別区ホームレス支援食事サービス活動等でのボランチティア体験を通してのコミュニティの人々との出会いと友情が、今も私のいのちを支えているのです。
本学における、このような地域社会の中でのCSLと、国際的なネットワークの中での短期・長期のフィールド・サービスとを連動させて着実に展開されてきたユニークな教育の実践が、今後益々豊かな成果を生みだすようになることを確信しています。