本学の「教養教育としての生活園芸」教育プログラムは07年度に文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム(略称:特色GP)」に採択されました。その進捗状況を把握する目的で、去る10月1日に「特色GP実施委員会」による実地調査が行われました。
実地調査委員の先生方を本学の学生たちが教育農場にご案内し、園芸教育の現場をみていただき直接インタビュを受けました。その後、学長を含め、取り組み担当教職員へのヒヤリングも行われ、恵泉女学園の教育理念である「聖書」「国際」「園芸」について委員の方々に十分にご理解いただくことができました。
「いのち」をキーワードにして「学生のいのちと暮らしを支える」「いのちのネットワークを作る」「いのちの尊厳のための人間教育を行う」といった本学の園芸・食・農教育が、今回の特色GP実地調査委員によって積極的に評価されたのは、このプログラムに取り組む教職員・学生一同にとって大きな喜びでした。恵泉の園芸の伝統は、大学の中においても、生き生きと益々大きく、新しく育ちつつあることを強く実感しています。
なお、本学では、06年度には「専門性を持った教養教育としての体験学習」も採択されておりましたので、2年連続して特色GPに採択されるという快挙を成し遂げたわけです。この06年度に採択されたプログラムについては、9月30日に人間社会学部「体験学習GPタスクフォース」による最終報告書が外部評価報告書とともに刊行されました。
更に、今年09年度には「専門性を生かした正課外地域貢献活動によるマネジメント力の育成」が文部科学省による「大学教育・学生支援推進事業」に採択され、3年間にわたって大学改革推進等補助金を本学が受けることになったのは大変に嬉しいことです。
この取組の趣旨は、国語・英語の教職志望の学生を中心に地域の学校や福祉施設等をチームとして訪問し、小学校での英語教育、絵本の読み聞かせ、わらべ歌や手遊びなどのふれあい活動によって学生のコミュニケーション・スキルやマネジメント力を養成し、社会的責任を学び、就業力を身につけることにあります。
このような本学の建学の教育理念に沿ったユニークな教育・研究プログラムが、社会的にも評価され、文部科学省による研究助成金を継続して獲得しつつあることは、本学における学問研究と教育内容の質の高さを示しているものと確信しています。
本学の教職員と学生の皆さん方によるダイナミックな「いのちの源」である神のことばを聖書に学び、「いのちを支え合う」国際協力と平和を学び、「いのちを育み育てる」園芸を学ぶという80年前の建学以来の教育理念の実践こそが、私たちの現在と未来を作り出していく「いのちの恵みの泉」となっていることを強く感じています。
「キリストのいのちのあるところには必ず成長があります。いのちは成長を意味するものであります。」と本学園創立者・河井道先生は「恵泉」誌の巻頭言(1934.6.13)で語っておられます。そして、正に「生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。」(新約聖書・ガラテヤの信徒への手紙:2章20節)と聖書に述べられてあるように、私たちの神によるいのちが更に一層成長するようにと神に祈りを捧げつつ、ともに神による平和を目指し、豊かないのちの教育を実践していこうではありませんか。