恵泉女学園大学

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本学について

2009年11月

今月は、学長からのメッセージとして、去る11月7日、8日に、本学の多摩キャンパスで行われた第22回多摩フェスティバルの礼拝における学長による説教要旨を掲載します。

神の家としての地球

みなさんお早うございます。
多摩フェスの第二日目を、妙なる奏楽と素晴らしい聖歌隊の歌声の響きに包まれつつ、チャペルでの礼拝ではじめることできますことを神様に感謝したいと思います。
今年度の多摩フェスのパンフレットを見てみますと、次のように書かれてあります。「本年度のテーマはECOロジー すばらしー Yes, fall in ECO です。私たちも一人一人ECOを意識し、未来の地球を輝かせたい。そして、ECOを意識することによって、内面からキラキラ輝けるような女性になりたい。地球とともに、みんな一緒に輝こう!」。
これは、ただ今お読み頂きました旧約聖書の詩篇135「賛美せよ、主の僕らよ 主の家に わたしたちの神の家の庭に居並ぶ人々よ。」とつながっている発想です。

この詩編に書かれてあるように私たちは、地球という神様が住んでおられる家、すなわちギリシャ語でOIKOSに住んでいるのです。そして神の家の庭にいるのですから、これを奇麗に美しく保つ責任があります。
この「オイコス」というギリシャ語からECO という言葉が生まれました。家の管理ということでエコノミア、すなわち経済学、生きている有り様の研究ということでECOLOGY、生態学、すなわち環境を大事にするといった考えにもつながってくるのです。

この「家」、「家族」を意味するギリシャ語のオイコスに由来するOIKUMENEいう言葉は、人間の居住空間の広がりとしての全世界を意味します。実は現在日本語でもカタカナ用語の「エキュメニカル」として使用されている、英語の「ECUMENICAL」すなわち「世界教会の」と言う言葉の語源にもなっています。

私たちの恵泉女学園大学は、今年で開学21年目になりますが、恵泉女学園自体は、今から丁度80年前に、日本の一人のクリスチャン女性である河井道先生によって創立されました。現在と似たような世界経済大恐慌の時でしたので『多くの友人が親切のあまり、損な無謀なことは止めなさい』と忠告したと先生ご自身が述べておられます。しかし、先生は怯みませんでした。最初の卒業生の門出の日にこう語られておられます。
「思えば、まるで寺子屋のような学園に僅か9名をもて学校をはじめたのは昭和四年(1929年)のことでした。それから5年の年月を経て、その間に神のお恵み、友人の厚意が陽となり雨となって学園をこれまでに成長させて下さったことはなんと感謝すべきことでしょう」と。

いま、学園創立者の河井先生が大きな理想としての恵泉教育の三つの理念すなわち、「聖書」にいのちの源を求め、「国際」平和を学びいのちの支え合いを学び、いのちと自然を慈しみ育てる「園芸」を行うという統合したユニークな教育をますます大きく展開してく使命と責任を、私たちは担っているのだと思います。

恵泉教育は、このように神の家としてのオイコスの中でのオイクメネ、エコロジーにそって実践されつつあります。このTama Fes '09のパンフレットの中のコラムにも書いておきましたが、河井先生は日本におけるECOとECUのパイオニアでした。

ECOと言う点では、神の家を美しく奇麗にするために、ゴミ、塵芥を捨てないようにしましょうと河井先生は学生たちに語っておられます。特に、川や空き地にゴミを捨てたりして平気な習慣をやめるようにしましょうということで、学生たちに注意し、川端には立て札をたてたと書いておられます。と同時に、私たちの頭の中や胸の底に、様々なゴミや汚物がたまっていないかを反省しましょうと言われました。私たち一人ひとりには、そのために垣根や立て札としての「聖書」の御言葉が必要だとしています。

河井先生にとってECOとは、私たちのEGOを聖書によって清められることを意味しました。外にある環境を奇麗にすることは自分自身の内面を美しく清らかにすることとつながっているのです。

これは、「ECOを意識することによって、内面からキラキラ輝けるような女性になりたい。」という実行委員会のIntroductionとつながってきます。正に「ECOロジー すばらしー」ですね。
エキュメニカル(世界教会)運動の国際的なリーダーとして、また日本におけるキリスト教女子教育のパイオニアとして大きなスケールで活躍された河井先生の「汝の光を輝かせよ」との呼びかけに答えつつ、私たち学園の一同も「神の家としての地球」に住んでいることを自覚し、未来へと大胆に、着実に歩んで行こうではありませんか。

ECOロジー すばらしー
ECOロジー すばらしー