金子 由佳 さん 国際社会文化学科

■卒業年:2003年3月卒業
■勤務先:国際連合大学 サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)

2003年国際社会文化学科を卒業後、難民支援を行うクリスチャン系のNGOで4年、また日本国際協力センター(JICE)からの出向で、日本国際協力機構(JICA)で2年半働き、その後はロータリー世界平和フェロー奨学生の地位を得て、オーストラリア・クイーンズランド大学大学院政治学部において、国際関係学、特に「平和及び紛争解決」について学び、2011年7月に卒業後の現在は、国連大学のサステイナビリティと平和研究所に勤務しています。

恵泉在学中は、様々な視点からの国際協力の在り方を体系的に学び、問題の発見能力、調査分析力を身に付け、北タイチェンマイにおける長期フィールドスタディでは、児童買春問題を扱う現地NGOでのインターン活動を通じ、コミュニケーション能力、問題の専門性は勿論、社会的に小さくされた人々の視点で活動を行うという、国際協力の現場において最も必要とされる能力を具体的に身につける事が出来ました。「『国際協力』について勉強したい」、「『国際協力』の現場で何かしたい」という漠然としたその思いを、順を追って追求できたのは、対話を軸にした先生方の熱心な指導や、学術的・社会的な学び、また多様性を重んじる恵泉の校風によるものだと確信しています。

最近の国連大学の仕事を通じては、持続的な開発や安全保障といった国際的な課題に取り組むために、市民・政府・国際組織、三者によるネットワーク作りの重要性を感じるようになりました。グローバル化が進み、一方で混沌とした社会において、多様性の中に見出すネットワークを基盤とした国際協力体制の構築は、恵泉で学んだそれと共通する部分でもあり、また持続的な平和の構築にむけた鍵であるとも考えています。国連という巨大な組織の中において、国際協力における学術研究の責任を合わせて追求できる現在ポジションで働きながら、そのネットワークの構築に尽力する事、それが現在の私の課題です。

自分の中にある思いを形にすることができる。そのきっかけ、方法を教えてくれた恵泉は、一人ひとりの学生を大切にする素晴らしい大学です。今後も恵泉で培ったバイタリティを元に、出来るだけ多くの人と知り合い、関わり、対話を持ち、多様性にみる国際協力を追求していきたいと思います。

JICAシエラレオネの地域開発プロジェクトでのインターン