新入生フェロシップ~恵泉へようこそ~

2019年04月15日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

入学式(4月1日)の翌日、新入生のフェロシップが行われました。講堂いっぱいに埋めた新入生を前に、例年通り藤田智先生のユーモア溢れる司会で会が始まりました。

冒頭は学生委員長の漆畑智靖先生のメッセージ

  • フェロシップは仲間という意味。今日の行事の目的は、皆さんを恵泉ファミリーの仲間としてお迎えすることなのです。(中略) 恵泉は小規模な大学ですが、知る人ぞ知る大学、社会から高い評価をいただいている大学です。先日発表された「THE世界大学ランキング日本版2019」で「国際性」の分野で何と3年連続、首都圏女子大第1位。また、昨年12月には文部科学省のインターンシップ表彰で最優秀賞に次ぐ第2位の選考委員会特別賞を受賞しました。
  • 恵泉は小さな大学だからこそ、先生と学生の距離がとても近いです。先生はとても個性的で、いい意味で変な人、面白い先生がそろっています。また国際色も豊かで、中国、韓国、アメリカ、フランス、トリニダード・トバゴ出身の先生もいます。面白い先生、知的な先生、尊敬できる先生をぜひ見つけてください。
  • 友達も作りましょう。いろいろな学生がいます。高校卒業後すぐ入学した学生、浪人した学生、社会で働いてから大学生になった学生、家庭の事情で働きながら勉強している学生、障がいのある学生、留学生、日本で育ったけれど実は家族は外国出身だというような学生など、個性的で多様な学生が皆さんの仲間になります。個性を認め合いながら、自分と異なる背景を持った友達を作ってください。そうすれば知的にそして精神的に豊かな人になれます。シャイな学生はなかなか話し出せないかもしれませんが、勇気を出してください。時間はかかるかもしれませんが、親友がきっとみつかるはずです。

この後、「私たちが誇る、とても素敵な先輩学生たちから、恵泉ファミリーはどんな仲間なのか学んでください」という漆畑先生の紹介で、各学科の先輩と信和会会長から、新入生を歓迎するメッセージが贈られました。恵泉の学びの魅力を語りながら、その中で自身がどのように変化したかを語る学生たちの声から確かな成長がうかがえたことは、とても嬉しいことでした。

日本語日本文化学科3年・森島さん
英語コミュニケーション学科2年・酒井さん
国際社会学科4年・内田さん
社会園芸学科4年・篠原さん
信和会長・梅林さん

今年のフェロシップの特徴は、障がいのある学生たちからのメッセージが届けられたことでした。

「みなさん、こんにちは!! はじめまして! わたしたちは、中央ろう学校からきました」と聴覚に障がいのある3人の新入生が壇上でパワーポイントを使って自己紹介をしてくれました。
「聴覚障がいは外見では分からず、個人差が大きい障がいであること」「聴覚障がいの種類と聞こえの程度について」「コミュニケーションの4つの方法」などについて丁寧な説明がなされましたが、特に「誤解されやすいこと」と「お願いしたいこと」についての説明には、深く考えさせられましたので、ここで紹介させていただきます。

誤解されやすいこと

難聴者が健常者に囲まれると、どうしても会話についていけなくなります。
「会話についていけない=おとなしい・やる気がない・周りが見えない人」といったレッテルを貼られてしまう場合があるのですが、そんなことはなく、ついていけないだけです。
聞こえると思って後ろから声をかえられるときがありますが、聞こえていません。
それで相手は無視されたと思ってしまう場合があります。

お願いしたいこと

うるさいところでは大きめの声で話してほしい
聞き返しても温かく対応して。わからなかったら筆談など紙に書いて教えてほしい
できれば口の形をはっきり見せてほしい

*聴覚障がいの学生たちが説明時に使ったパワーポイントをご覧ください。
パワーポイント

聴覚障がい学生から
聴覚障がい学生から

この後、車椅子を使う学生も講堂の後ろから、マイクを通して元気な声を届けていました。

キャンパス内は車椅子での移動にはほとんど問題ないと思っているけれど、それでも思いがけないところで、車椅子が立ち往生することがあるかもしれません。そんなときはどうか助けてください

聴覚障がいの学生たちも車椅子の学生も、とてもはつらつとして、皆と一緒に恵泉での学生生活を楽しみたいという笑顔溢れた素敵なプレゼンテ―ションでした。

さらに中国、韓国、ベトナムなどから留学している学生たちの会(留学生会)のメンバーからも、その活動紹介がありました。留学生たちの日常の暮らしぶり、日本人の学生や教職員、地域と交流・親睦を深めている様子について、カオティクイさん(ベトナム出身:国際社会学科2年)がパワーポイントを使って紹介してくれました。今年の新入生にはフランス、マレーシアの留学生も加わりました。

*留学生のパワーポイントもとても楽しくできていますので、下記からご覧ください。
留学生会のパワーポイント(PDF版)

留学生会・カオティクイさん
留学生会から

冒頭の学生委員長の漆畑先生の話にもあったように、さまざまな背景をもった仲間どうしが、その多様性と個性を認め合いながら、恵泉での学生生活をエンジョイしてくれることを願いたいと思います。