恵泉ディクショナリー
臨床心理人間環境学科
[りんしょうしんり] Clinical psychology
臨床心理とは
臨床心理と言うと、臨床心理士という資格でよく知られています。それについては、「臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、人間の"こころ"の問題にアプローチする"心の専門家"」と日本臨床心理士資格認定協会(文部科学省認可)が述べています。
臨床心理学は、心理学では応用心理学の領域に入ります。応用心理学に対して基礎心理学という領域があり、それは見たり聴いたり触ったりといったことを中心とする、人間の基本的な情報処理の問題を扱います。その基礎心理学の領域で学ぶことを土台にして臨床心理学では、生きて生活している「人」に生じるさまざまな反応の分析と、そのことをどう扱うかについて学びます。先に述べた"こころ"の問題は、日々の生活で、周囲の情況にできるだけ適合する情報処理の仕方がよく分からないことで、不安定な状態を示す諸症状が現れている場合を指しています。臨床心理士は、このように情報処理がうまく機能せずに、気持ちが落ち込んだり、気分が高揚しすぎたり、周りで起こっていることや他者に対して自分の思い込みだけで考えてしまったりして、身体症状なども起こしている人に対して、よりよく改善できるよう、働きかけます。臨床心理士として活動するためには、基礎心理学からきちんとトレーニングして理法と技法の研鑽を深めることが求められます。
このようなことから、本学科では心理学の基礎からの学びを重視しています。
2010年05月10日 筆者: 齋藤 謁 筆者プロフィール(教員紹介)