Q&A
- アジアの国際関係に関心があります。いろいろな地域を学べるようですが、アジアの研究は充実していますか。
- アメリカとヨーロッパ地域だけではなく、インド、バングラデシュ、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジア、朝鮮半島、中国といったアジア地域の専門家がたくさんいます。国際社会学科はあなたにぴったりだといえるでしょう。欧米について学んでいる学生もたくさんいます。先進国と途上国についてバランスよく学ぶことが大事だと考えています。
- 国際ニュースはトピックとして面白いと思うのですが、難しくてなかなか理解できず、世界史の暗記も苦手なので、授業を理解できるか心配です。
- 心配しなくて大丈夫です。国際経済や国際政治、国連などの国際機関といった国際社会の全体の枠組みを学べることはもちろんですが、一般的に、わかりやすい身の回りの生活から具体的に考えていくことから始めます。
私たちが食べるバナナを作っているフィリピンの農村の生活は?必須のファッションアイテムとなっているジーンズを多国籍企業で作っているアジアの女性たちは十分な賃金をもらっているのか?。このように、私たちの足元の日常生活が具体的にどのように海外の人々の生活と関係しているのか、実感をもって理解するところから出発し、これを学問的に深めていってもらいます。グローバル化が進む現代の国際社会を学ぶには、このようなアプローチが不可欠なことも付け加えておきたいと思います。
- 海外体験学習が盛んなことはわかりましたが、他の大学にも、同じような名前の海外研修プログラムがあるので、違いがわかりません。
- たしかに国際社会学科では、机の上の勉強だけでなく、フィールドスタディ(FS)とよばれる海外体験学習を重視しています。海外に実際に足を運び、現地の人々と交流し、貧困・ストリートチルドレンといった問題に体ごとぶつかって体験的に感じ考え、国際協力やNGO活動の現場を理解することが大事だと考えるからです。
このFSの特徴は、海外の現地研究で専門知識を培った教員や、平和構築、貧困問題、フェアトレード、女性の人権問題の解決など、国際協力やNGO活動の経験豊富な教員が作成したオリジナルで質の高いプログラムであることです。社会的評価も高く、2006年には、文部科学省から優れたカリキュラムであると表彰されました(「特色GP」認定)。歴史と伝統があるプログラムなので、自信をもってお勧めできます。安全管理・危機管理も万全の体制を整えています。
フィールドスタディ(FS)
- 国際ニュースを見るのが好きで、テロ問題や民族紛争、貧困などいろいろと知りたいことがありますが、まだ具体的に何を学びたいか決められません。入学してから考えても大丈夫でしょうか。
- まったく心配ありません。1,2年生のときに、世界のさまざまな地域で起きている政治、経済、宗教・民族問題、人権問題などについて多角的に学んでいきます。この間に自分が取り組みたい分野を決めて、その分野を研究している先生のゼミで専門的に学んでいけばよいのです。自分のやりたいことが国際政治なのか、貧富の格差などの経済問題なのかと、迷ってしまっている人には、むしろお勧めの学科だといえるかもしれませんね。
- 将来、海外で仕事をしたいと思っているのですが、国際社会学科に入ろうか、英語を勉強できる英語コミュニケーション学科を受験しようか、迷っています。国際社会学科では、英語の勉強はちゃんとできるのでしょうか。
- 安心してください。国際社会学科でも、しっかりと英語を勉強することができます。
英米圏だけでなく、アジアなどの各地で共通語として広く使われている英語は、国際社会の学びにとって不可欠のツールですし、アジアにフィールドスタディに行ったときも、使えるからです。
なお、他の大学ではなかなか学べないヒンディー語やインドネシア語などのアジアの言語の授業も充実しています。さらに、海外語学研修や留学などで本格的に語学を磨くことも可能なのです。
国際社会学科で、是非、英語の運用能力を高めるとともに、アジアの少数言語などにも挑戦して、国際理解を深めてくださいね。
- 国際社会学科を受験しようかと思っていたのですが、園芸にも関心があり、人間環境学科とどちらにするべきか、迷っています。
- 本当に自分がやりたいことが何か、よく考えてみてください。好きなことをやるのが一番ですから。ただし、恵泉のカリキュラムの特徴は、学科間の垣根が低いことです。国際社会学科に所属しながら、園芸や環境問題といった人間環境学科の授業を履修することがかなり容易にできます。たとえば、フィリピンの農村問題をゼミで学んでいる学生が、人間環境の園芸の授業を履修することは、教育上、非常に有益だと考えられるからです。ダブルゼミ特別コースに所属し、国際社会学科と人間環境学科のダブル・ゼミにチャレンジすることもできます。
ダブルゼミ特別コース
- 入学できたら、フィールドスタディに絶対参加したいのですが、参加を希望しても断られることがあるか、不安です。
- 原則的に、全員参加できます。ご安心ください。ただし、参加希望が非常に多い場合、安全管理上、選考によって人数を絞り込むことがまれにあります。FSは、2年生から参加できます。たとえ希望がかなわないことがあっても、2年、3年、4年と3回の機会があるので、心配いりません。むしろ、2年生のときに、バングラデシュのFSに参加し、3年でフランスのFSに行くといった猛者もいるぐらいです。
FSは観光旅行ではないので、ゼミ形式で事前学習を行い、帰国後も、本格的な報告書を作成し、体験を専門的に深めることになります。事前学習の授業は「社会調査方法論」と呼ばれますが、この授業の単位取得などの条件をクリアーできない人は、FSに参加ができなくなりますので、一生懸命、がんばってくださいね。
- フィールドスタディを重視しているということですが、全員参加しなければいけないのですか。あまり活動的なタイプではないので、FSに行く自信がありませんし、読書が好きなので、国際社会について文献を通して学ぶことにむしろ興味があります。
- 本から学ぶ人、大歓迎です。FSは自由参加です。FSに参加しないで、立派な卒業論文を執筆し、卒業する学生もたくさんいます。当然のことですが、机の上での勉強抜きに、大学の学びは成立しません。たくさんの文献を読み、自分の専門を深めていってください。実は、FSもただ海外に行けばよいというものではないのです。FSで学んだものを文献調査などでさらに深め、卒業論文につなげていかないと、意味がありません。