恵泉女学園大学

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人文学部 歴史文化学科

ゲーム

スヌーピーの飼い主、チャーリー・ブラウンは何をやってもうまくいかない。野球もフットボールもまるでだめ。アメリカではどちらも男の子のゲームを代表するものだ。ゲームに勝てない「負け犬」役は、長年人々の共感を得てきた。背景にはアメリカ社会独特の勝者と敗者を厳しく分かつ成功神話の存在がある。子供たちを取り巻くゲームにも驚かされるだろう。たとえば、室内ゲームの「モノポリー（独占）」。双六の要領で盤上を回りながら、他のプレイヤーと不動産取引し、自らの資産を増やし、他のプレイヤーを破産させるのが目的という凄まじいゲームである。大恐慌真っ只中の1935 年、実在の都市を舞台に作られた。雨の日に家族で楽しむゲームとして人気を呼び、金銭教育としてもてはやされたりもした。「刑務所入り」に移動させられもするのだが、50 ドル払ったり、手持ちの釈放券を使ったり、抜け道もちゃっかり用意されている。マネーゲームの見果てぬ夢に世界中が苦しめられる昨今、「モノポリー」のおもちゃ債券ならどんなにいいだろうと多くの人が思っていることだろう。