人間は本心を隠すために言葉を発明した、とぞっとすることを言った人がいます。畳にも海苔にも裏と表があるように、人の心にもウラとオモテがあります。古い日本語ではうらは心、おもては顔の意味でした。うらさびしい、うらがなしい、何とも言えないわびしい心の状態を指す言葉なのです。哲学的に見ると、うらが本質でおもてが現象。しかし人の眼にうらは見えません、見えるのはおもてだけです。つまり人間は表向きの現象だけを見ることによって、その裏の、その奥の正体である本質を見抜こうとするのです。どんなに上手に上辺を繕ってみても、うっかり本音が出てしまうことってけっこうありますよね。隠そうとするから、バレてしまうのです。私は小学生の時、おねしょをしてしまいました。子供の知恵で隠そうとして、珍しく布団をきちんとたたんで学校に行きました。もちろんは母はすぐに気付きましたが、何も言いませんでした。