恵泉女学園大学

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人文学部 歴史文化学科

洗いざらしのデニムに、トップは綿100%のシャツ。やっぱり気持ちがいい。最近ではデニムの前ポケットにiPodを入れてビリー・ジョエルなんかまた聴いている。音質がバツグンだから、もうこのプレイヤーも手放せない。居心地って、結構、身につけるもの次第かな。だから納得できるものに出会いたい。

ひとのこんな素朴な思いが、意外に歴史を作っている。数年前、ロンドンの大英図書館「東インド会社とアジア」展で見た古い綿布。創業1600年のこの貿易会社がかつてインドから積んできた船荷だ。綿は鮮やかな染付けができ、水洗いもOK、オール・シーズン対応ときて、しかも身につけての素材感にやがて世界ヒット商品となる。

日本には東南アジアを経てオランダ船でやってくるこのインド綿布、長崎商館を通じて江戸に入り大流行する。春信や歌麿が美人画に好んで描いたいきな縦じま「さんとめ」の着物のはじまりだ。