恵泉女学園大学

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人文学部 歴史文化学科

女らしさ男らしさ

最近ジェンダーという言葉をよく耳にしますが、これは、成長するなかで人間が知らず知らずのうちに身につけるようになった男女の性差のことです。日本の「きもの」のような伝統衣服を調べてみると、どの社会でも男性と女性とで大きく違っています。これは、衣服が、遠くからでも一目で相手を見分けることができるという点で、重要な「しるし」となっているからです。伝統衣服には、このほかに年齢や身分などによって使える色や模様や素材が異なるといった規則が設けられています。女性の場合だと、未婚か既婚かでも違います。衣服は、法律とは別の、社会の重要なルールでした。「着る」という行為は、現代では個性を示すことが重視されていますが、伝統社会では、ジェンダーに限らず、社会的な差異を明示するためのものでした。「~らしさ」という感覚は、こうした「文化」的行為を通して私たちが身につけてきたものなのです。