恵泉女学園大学

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教育農場・園芸

No.62

恵泉女学園大学教育農場
卒業おめでとう2006年03月16日

★多摩キャンパスの昨年と今年の1,2月の気温と降水量(教育農場測定)

  最高気温 最低気温 平均気温 降水量
2006年1月
2005年1月
15.1℃(1/30)
19.0℃(1/4)
-8.1℃(1/23)
-6.2℃(1/27)
2.4℃
3.5℃
70.30ミリ
23.6ミリ
2006年2月
2005年2月
20.8℃(2/15)
17.6℃(2/23)
-7.8℃(2/5)
-8.2℃(2/27)
4.8℃
3.1℃
160.40ミリ
85.10ミリ

教育農場の3,4月の主な作業予定

★農場の区画 ----1年生は2人1組で0.6×1.5mの畑を4つ管理することになっています。ひもを張ってラベルを立てて、区画します。
★草花育苗---- 夏から秋にかけて咲く草花の苗を、J棟南側のガラス室で育てます。種子播きは4月20日頃の予定です。
★ジャガイモ植え付け---- 7月に収穫し、食堂の人気メニュー、フライドポテトにしてもらう予定です。

4月の生活園芸の授業

1年生必修の「生活園芸I」の実習は、畑でのジャガイモ植え付けから始まります。肥料として牛糞堆肥、発酵鶏糞、米ぬかを散布し、四本鍬で耕して植えつけます。5月にキュウリ植え付けを行うので、その準備のため、4月のうちに肥料を散布したり、支柱を立てるなどの作業をします。
2年生以上の選択科目「生活園芸II」には、3つのクラスがあります。花壇の管理・草花の育苗を行うクラス、教育農場で野菜・ハーブを栽培するクラス、一本杉公園の古民家の庭先にある畑で花や野菜を栽培するクラスです。花壇クラスは草花の種子播きを行い、農場クラスは3人1組の班になり、各自の畑の栽培計画を立てて種子を播き始めます。一本杉クラスは、土づくりやジャガイモの植え付けを行う予定です。

今月の花・こ・と・ば

クリスマスローズ

学名:Helleborus niger キンポウゲ科
厳しい寒さの中、ひっそりと咲き始めたクリスマスローズ。現在では交配が盛んに行われ、様々な色や形のものが登場していますが、本来、クリスマスローズと呼ばれるものはHelleborus nigerを指します。学名のHelleborus(ヘレボラス)はギリシャ語で「死に至らしめる食物」、種名のnigerは「黒い」という意味で、黒色の根には毒性があります。花言葉には、スキャンダル・思い出を懐かしむ・私を安心させて・中毒・悪評・発狂・慰め・私の心配を和らげて下さい、といった意味があります。
しかし、花言葉とはうらはらに、クリスマスローズにはこんな物語があります。イエス・キリストが生まれたとき、貧しい少女がその誕生を祝福しようとしましたが、貧しさゆえに何も持っていく物がありませんでした。悲しんで村に戻ろうとすると、天使が舞い降りて暗い夜の冷たい土に触れました。するとそこに白い花が現れ、少女はそれを祝福の印としてイエスに捧げました。その白い花こそがクリスマスローズというわけです。キャンパスにも数種類の Helleborusがひっそりと咲いています。是非探してみてください。

(石井絢子)

大地に根を張って

3月の学校の畑は、授業で賑わうこともなく、しんと静まりかえっている。
そんな中、時折大きな袋をかかえて、冬の寒さに当たって甘さの増したホウレンソウの収穫のために学生がやってくる。1年次の必修の授業を終えた2年、3年、4年次になっても授業の合間にふらりと畑にやってくる姿も見かける。
この春卒業を迎えるSさんは、一昨年の春「自分で管理が出来る自分の畑が欲しい」と言って、畑を借り、一生懸命色々な作物を育てていた。ポカポカとした温かい日の光、さわやかに吹く風が彼女を畑へと導いたのであろう。彼女は、4月に社会への1歩を踏み出すそうだ。大地にしっかりと根を張って育つ作物と歩んだ彼女の後ろ姿は、ピンと背筋が伸び、昂然としていた。

(黒沼陽子)