教養基礎演習は1年生向けに実施されているゼミです。いつもは小さな教室に分かれて報告をしたり議論をしたりしているのですが、先週はちょっと違ったやり方を取りました。5月10日の木曜1時限では大教室に場所を移し、5クラス分の文化学科の学生が集まって、本学客員教授の桃井和馬先生のお話に耳を傾けました。ご存じの方も多いかと思いますが、桃井先生は写真家・ノンフィクション作家としてご活躍されています。ほぼ1年前にも桃井先生には特別講師となっていただきましたので、今回はその第2弾になります。
最初に、先輩の学生が昨年制作したスライドショーが紹介されました。その見事な作品を見るうちに、自分の可能性が開かれていく思いを抱いた学生も多かったのではないでしょうか。それから、桃井先生ご自身が世界各地で撮影された動物写真が、巧みな話術とともに披露されました。動物の置かれている状況から、人間のエゴや環境問題などが語られていきました。写真は対象を写すだけでなく、撮る人自身をも露わにしてしまうという怖い面もあるのですよ、というお話が印象的でした。
動物を題材にされたのには、理由があります。合同授業の2日後に、多摩動物公園で学外授業を行いました。多摩動物公園は恵泉女学園大学からモノレールで10分ほどのところにあります。桃井先生のほかに、8名の文化学科教員も参加しました。天気に恵まれて賑わう園内で、カメラを手にした学生たちが、合同授業のときに桃井先生から与えられた課題に取り組みました。課題は、動物には「かたち」や「色」などさまざまな特徴がありますが、なぜそのような特徴をもっているのか、その理由を考えてくださいというものです。
桃井先生と一緒にお話ししながら回る一団、4月の入学式で出会ったばかりですがすっかり仲良くなった友達同士で撮影している一団など、学生たちは広い園内を思い思いに歩き回っていました。10時に始まり、お昼には大学で用意したお弁当を食べて、2時まで楽しく過ごしました。その成果は次週の授業でレポートとなって出てきます。