恵泉女学園大学

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本学について

2008年4月

光の子として歩みましょう

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私たち恵泉女学園大学の教職員一同は、皆さんが充実した大学生活を送れるように、心から歓迎し、全力を尽くします。
今日は、はじめに、みなさんに三つの質問をしたいと思います。
第一、みなさんが、恵泉女学園大学を選んだ理由はなんでしょうか。
第二、みなさんは、大学生活4年間に何を学びたいと思っていますか。
第三、みなさんの、人生の目的はなんですか。
どれも、大事な質問です。これについての答えはみなさん自身が出すので、私は答えるわけにはいきません。
いうまでもなく、教育というのは、教え育てることです。ギリシャ語ではEducareで、英語のEducationのもとになっていますが、これは、「引き出す」という意味です。恵泉ではみなさんの才能や可能性を引き出す、まさにみなさんが自分で自分の人生をデザインできるようなEducareをしています。
質問その一「なぜ恵泉を選んだのか」ですが、みなさんにはきっと色々と具体的な理由、それぞれの人にふさわしい、恵泉を選んだ理由があることでしょう。しかし、大切なことは、皆さん方は、神様に選ばれてこの大学に入ったということなのです。
わたくしたちの恵泉女学園の創立者河井道先生は、外国のキリスト教ミッションの援助もなく、特別の資金援助のスポンサーもなく、土地も,校舎も小さく、多くの人々が絶対に無理だと忠告したのに、たった9人の生徒で、今から79年前に、「聖書」「国際」「園芸」の3つの学びを統合した教育理念として掲げ、恵泉教育をはじめられました。その、入学式の時に語られた言葉が、「皆さん方は神様に選ばれた」ということでした。
このような教育カリキュラムを人間形成の基盤としている大学は世界中で恵泉だけです。その極めてユニークな伝統は、本年、開学20周年を迎える恵泉女学園大学にも引き継がれ、恵泉教育の良さが社会的にも評価されています。特に、私たちにとって大変に嬉しいことは、2006年度は「体験学習」をテーマに、2007年度は「生活園芸」をテーマに2年連続して、文部科学省による「特色ある大学教育支援プログラム」(略称特色GP)に採択されたことです。
第二の問いかけ「大学で何を学びたいか」ですが、これも答えはそれぞれ異なることでしょう。もうある程度はっきりしていて、分かっている人、或はこれから見つけたいと思っている人もおられることでしょう。今日から、教職員やお友達のみなさんと是非話し合って下さい。対話の中からこの4年間、みなさんが大学生活でやりたいこと必ず分かってきます。先生方は皆さん方との対話に積極的です。そのための時間も研究室でのオフイスアワーとしてとってあります。どうぞ、積極的な学生生活をはじめてください。
そして、最後は、「みなさんの人生の目的は何でしょう」という質問です。これは、毎日これから考え続けて行く大きなテーマです。今日ここに新入生となったみなさんにとって、聖書もキリスト教も、そして礼拝や賛美歌もはじめて、という方も多いと思います。
わたくしたちの恵泉女学園大学・学則の第1条には、「本学は福音主義キリスト教の信仰に基づいて、女子に高等の教育を授け、専門の学術を教授研究し、もって真理と平和を愛し。国際的視野に立って、文化の進展と社会の福祉に貢献する有為な女性を育成することを目的とする」と規定されていますが、この条文には、人生の目的と関わる大きな意味が含まれているのです。
今日司会者にお読み頂いた聖書の箇所「光の子として歩みなさい」ということばですが、私たちのたった一回限りの人生の目的は、「キリスト教信仰に基づいて」神の光の子として歩むことにあるのだと思います。 その「光の子として歩む」というのはどういうことを意味するのでしょうか。
この聖書(日本聖書協会訳)の同じ箇所が、他の日本語聖書(いのちのことば社訳)では「そのことを態度で示しなさい」と訳されていることで、よくわかると思います。神によって生かされている「光の子として歩みなさい」ということは、言い換えれば、「態度に示して」生きるということなのです。
光そのものである神を見つめつつ、神の輝きによってのみ輝くことの出来る「光の子」として信仰と希望と愛を「態度に示して」ともに歩んでいきましょう。
学園創立者の河井道先生は、しばしば、「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」(マタイによる福音書第5章16節)と語られました。これは、本当の自分らしさ、人間らしさを人々の前で、素直に出しましょうということです。しかし、これは、出来そうで出来ません。本当の自分とは何でしょうか。人々の前で、はっきりとした自分らしさを出せるのでしょうか。それは、神を信ずる信仰によって可能になると河井先生は語られておられるのです。
現在は、大学で以前とは比べられないほど多様な学問を学ぶことが出来ます。特に、恵泉女学園大学には伝統ある人文学をはじめ、社会科学、自然科学の学問分野を含め、他の大学ではあまり開講されていないアジアや欧米の言語も含め様々な特色ある講義、ゼミ、研修、実習、農園での作業などたくさんありますし、学部、大学院ともども素晴らしい先生方が揃って、皆さん方を待ち構えています。更に、アジア、アメリカ、ヨーロッパなどでの語学研修、短期・長期の体験学習や、国内でのコミュニテイ・サービスラーニングの機会も皆さん方には開かれています。是非、自主的、積極的に、これらの機会を生かしましょう。
また、本学には素晴らしいチャペルがあります。美しい響きのオルガンの演奏、教職員や学生による聖書のメッセージや時に体験学習やワークキャンプの報告などもあります。一緒に楽しく賛美歌やフォークソングを歌い、色々なお話を聞くためにチャペルに行く習慣をつけましょう。
皆さん、「今日の3つの質問」への皆さん方自身による、解答を豊かな内容にするために、この恵泉女学園大学での4年間、一生懸命に勉強して下さい。この問いに答えるために、納得できる恵泉女学園大学生活を送ってください。
在学生、教職員一同と共に、主イエス・キリストの恵みの内に、「光の子として」「態度に示しつつ」「光を輝かせて」一緒に歩んで行きましょう。
(2008年度・入学式式辞・要旨)

Keisen News2008年度 恵泉女学園大学・大学院 入学式
2008年度 恵泉女学園大学・大学院 入学式