中国の杉達大学に協定留学している学生からの報告書 2 派遣留学生の声:中国

2015年06月29日 

2015年3月より2016年1月までの予定で、中国の杉達大学に協定留学している学生より報告書が届きました

中国(杉達大学)協定留学生より2

最近上海もすこしずつ暑くなってきた。上海の天気は東京とあまり変わらないが、上海は一日の気温の差が激しいと思う。まだ6月だが、この間は30度近くまで気温が上がり、とても6月とは思えない陽気だった。

勉強面では、今のところ授業のスピードにはついていけている。だがlisteningが入門編から基礎編に切り替わった途端レベルがあがり、1度では聞き取れない部分も結構出てくるようになった。また、writingも文法がすこしずつ難しくなってきた。これからますます難しくなると思うとなかなか先が思いやられる一方で感じているのは、中国語の文法の面白さだ。

中国語は特に「補語」が複雑だと思う。補語と言ってもいろいろな種類がある。「可能補語」「結果補語」「方向補語」などだ。名前だけでもこんがらがりそうなのに、内容はもっと複雑だ。例えば「可能補語」では、「動詞+得/不+可能補語」の形でその動詞が可能かどうかを表すことができる。例えば「食べられない」という言葉は、「吃不完(吃は食べるという意味の動詞)」というように「可能補語」を使って表現することが出来る。しかし中国語の文章で「〜できる/〜できない」を表現する言葉は「能(できる)/ 不能(できない)」というように習い始めの頃は学ぶため、「不能吃」と表現する人が多い。この2つは意味が異なるため、どちらを使うのか判断する必要がある。さらに「吃不完」のような表現は、他にも表現の方法がいくつかあり、その使い分けはそのときの状態で判断する。

 

また他にも複雑で面白い文法がある。中国語には「四声」という4つの発音(イントネーションのようなもの)があり、この四声の組み合わせによって全く別の言葉が出来る。四声が違うだけで全く別の言葉になるため、これを間違えると相手には全く伝わらない。つまり、この4つの発音が中国語の第一関門になるのだ。

四声は4つしかない(正確には5つ)から、もちろん同音異義語もたくさんある。その中でも私が感じる特に面白い言葉は、四声も同じで役割も同じなため、 speaking とlisteningのときには特に気にする必要はないが、writingでは使い分けをしなくてはいけないという「得・的・地」の「構造助詞」である。使い分け方は名詞を修飾するのか、それとも動詞を修飾するのか、結果の程度を補足するのかなどによって判断する。最近では中国でも非公式の文章の場合にはこの区別をしないで表現するということも度々見受けられるらしい。

日本語にも文法があるように、文法は複雑で覚えなくてはならないことがたくさんある。しかし私にとって文法はパズルのようなもので、難しければ難しいほど、その問題がぴったり隙間なく当てはまったときの感覚は何とも表現できないほど快感である。

生活面では、ちょうど一週間ほど前、所属しているダンス部の中で初めてダンスの友人ができた。彼女はニュース関係の学科のため、全く日本語が話せないが、私と話すときは簡単な単語に変えてくれたり、ゆっくり話してくれるので非常に中国語の勉強になる。また彼女はHip Hopが専門のため、私が踊ったことのない分野を教えてくれる。とても良い子が友達になってくれて嬉しい。

それと、今週の水曜日に日本語のスピーチコンテストが開催された。それぞれクラスの代表が出場して競い合う。本当に日本語が上手でなおかつ流暢で素晴らしかった。

日本語学科の生徒の多くは日本のアニメや漫画が好きなのをきっかけに日本語を勉強している。彼らは日本に対して本当に興味があって、私たちを見かけると積極的に話しかけてくれる。(私はそこまでアニメを見ないため、時々話についていけなかったりするのは申し訳ないが・・・。)日中関係が良くない今の状態の中でも、彼らのような日本が大好きと思ってくれる中国の人と一緒に居られることは本当に幸せだと思う。6月ももっとたくさんの人と出会いたい。