中国協定留学中(杉達大学)の学生から現地での留学生活報告書 派遣留学生の声:中国

2015年08月10日 

中国協定留学中(杉達大学)の学生から現地での留学生活報告書が届きました。留学生活も5カ月が過ぎ、皆それぞれ積極的に日々頑張って過ごしているようです。

留学生の声 ① 
7月10日にテストが終了し、夏休みとなりました。学校は2ヶ月休みがあるので、夏休みは日本に帰国せず2ヶ月間中国で過ごす予定です。
7月末には上海から北京に行きました。北京语言大学で約1ヶ月中国語の勉強をします。その他、授業後や土日の休日を使って北京の観光スポットにも足を運べたらと考えています。北京の大学自体は休みで、サマースクールが開校されています。サマースクールに来ている学生の国籍はさまざまで、みんな共に中国語を勉強している仲間です。クラスも国際豊で、さまざまな国の友達ができました。

今回上海から北京に来てすごく刺激的な毎日を送っています。私は今まで飛行機に1人で乗ったことがなく、全く知らない土地で何かをやることが初めてでした。今まで半年間勉強してきた中国語を、1人で実践するという感じでした。本当に不安と緊張でいっぱいでしたが、なんとか学校までたどり着き、北京での留学生活がスタートしたという感じです。今までの自分を振り返ると、本当に周りの人に助けられて生きていたのだと実感しました。

中国語の授業ではとにかく先生のパワフルさに圧倒されています。先生方はさすがプロフェッショナルと言われるだけあり、テンポよく授業が行われます。また、教科書に載っている単語や文法以外にもセットで覚えたほうがよいものなどもたくさん教えてくれます。北京语言大学は中国の中で外国人に中国語を教えるのがとても上手と聞いていましたが、実際に授業を受けてみて驚きました。同じクラスのクラスメイトたちからもすごく刺激を受けます。
この大学でたくさんの人と交流できるように日々の勉強に今後も励んでいきたいと思います。

留学生の声 ②
7月の上海は本当に暑い。梅雨も明け、最近は毎日気温が38度前後まで上がり、太陽が本当に眩しい。私の地元は近くに海があるため夏でも風が出ると少し過ごしやすくなるが、こっちでは外はほぼサウナ状態になるため、中国の友人は口を揃えて夏は中暑(熱中症)になるから外に出ないほうがいいと言う。

7月の学習面のメインは何と言っても期末テストである。私はテストが中国語と体育と英語の3科目だけだったため集中してテスト勉強することが出来たが、中国の友達の中には10科目やそれ以上の人もいて、特に日本語学科の学生はおそらくレポートよりもペーパーテスト形式がほとんどだと思うから本当にテスト期間は忙しいだろう。

テスト期間は図書館が毎日混む。タイミングを逃すと席が取れなくなるくらいだ。図書館にはWi-Fiがあるということと、学生は複数人で1つの部屋という寮のため、部屋だとあまり集中ができないということもあるのだろう。夜は教室で勉強する生徒も多い。
2、3、4階の教室はパソコンがあるため9時になると鍵がかかってしまうが、1階の教室であれば夜9時以降も利用できる。時には夜の11時にまだ電気がついている教室もあり、本当に勉強熱心だなと感心する。私は1人1部屋でエアコンも付いているという贅沢な環境に居させてもらっているのだが、部屋にいると逆に自分を甘やかしてしまうため、昼間は図書館に、夜は教室に行って勉強するようにしていた。半年間たくさん文法を学んできたと思っていたけどいざ復習してみると案外これだけしか学んでいないのだと思い、やはり別の言語を取得するということは本当に大変だと感じる。

テストも全て無事に終了し、いよいよ夏休みに入るのだが、その前に私にとって1つ大きなイベントがあった。それは蘇打緑(soda green)というバンドのコンサートだ。

このバンドは去年中国語学研修に参加した際、ある中国の友人からおすすめされた台湾のバンドである。日本でも過去にライブを行ったことがあり、そしてなんと今年のworld tourは日本に7年ぶりに来日する。蘇打緑のボーカル呉青峰のまるで女性のように柔らかな歌声も魅力的なのだが、私が好きなのは何と言っても蘇打緑の歌詞である。ストレートだが深い歌詞に惹かれる。

コンサートは虹口足球場というスタジアムで行われた。私の席は友人が一番良い席を取ってくれたので、アリーナの前から8列目だった。あんなに近くで彼らの演奏を聴ける機会はなかなかない。しかも中国で行われるコンサートのチケットの値段はかなり高い。良い席だと日本の人気のアーティストのコンサートの2倍の値段はする。本当に最高な時を過ごせたと思う。しかしその楽しい反面、曲間で話す彼らの雑談や、曲などの歌詞が聞き取れなかったりして理解できない部分が多く、楽しんでいてもどこか置いていかれている自分がいた。

このバンドをもっと知りたい、そして私のために最高のチケットを取ってくれた友人ともっと蘇打緑について話したいと思い、今は蘇打緑の曲を一曲ずつ自分なりに翻訳し、歌えるように練習している。かなり意訳の部分も多いが、歌詞の意味を知れば知るほど呉青峰の気持ちを理解することができ、本当に面白いと感じることができる。

また今月はコンサートの他にも蘇州へ日帰り旅行に行ってきた。上海から蘇州までは高速鉄道に乗れば30分ほどで行くことができる。友人の友人である蘇州の人が案内してくれたため、蘇州の本当に美しい景色を見ることができた。天気は雨が降ったり止んだりの不安定だったが、それもむしろ趣があり、非常に貴重な時間を過ごすことができたと思う。蘇州の空気や雰囲気もすごく気に入った。上海ももちろん中国の国際都市として魅力がたくさんあるが、蘇州もまた違った面白みがある。もし上海に来るなら是非行って欲しいおすすめの場所である。

8月には北京で中国語を学び、9月にはアモイに旅行に行く予定だ。夏休み、存分に楽しんで充実させたい。

留学生の声 ③
7月は11日から夏休みが始まったこともあり、生活面での大きな変化は前の月ほどなかった。

勉強面については期末テストを控えていたこともあり、6月後半からテストに向けての学習を始めた。授業は毎日参加し真面目に聞いていたつもりだったが、いざ4月に学習したページを見返してみると忘れている単語があるなど、十分に学習しきれていたとはいえなかった。そのためテストで十分な力を発揮するには多くの時間がかかってしまった。単語を個人的に持ってきたテキストで覚えていたが、教科書の内容と少々異なるため、その部分でも学習方法の見直しを考えさせられた。また、中国語のテストだけでなく、英語の授業も履修していたため、英語のテストも受けなければいけなかった。英語のテストはネイティブの先生との会話だったが、ここでもまた自分の力不足を感じた。英語は恵泉でも第一言語として取り扱われていたため、勉強の必要性を以前から感じていた。中国ではイギリスやオランダからの留学生もいて英語を必要とする場面が多々あった。同時に英語をネイティブから学ぶ機会も多いため、イギリスからの留学生に週に1度英語を習っていた。とても自分のみになっていると感じている。

また、生活面についてはすっかり現地の生活にも慣れ、上海市内のさまざまな場所に出かけていくようになった。留学前は中国に留学ということもあり、両親や祖父母に現地での生活をとても心配された。私自身も不安をもっていた。しかし、日本人だからという理由で危険な目にあったことはない。特に学内では食堂、売店、文房具店の方々など日本人とわかると優しく話しかけてくれ、暖かく迎えてくれた。留学も5か月目に入り、日常会話も少しずつ聞き取れるようになってきた。授業内でのリスニングはネイティブのスピードに近く、内容も難しいためまだ聞き取りは不十分な部分もある。しかし、春に中国にきた当初よりは進歩を感じる。また、当初は日本語学科の友人が多かったが、友人と遊びに行った際、別の学科の友人を連れてくるなどして友人の輪が広がっていることを感じる。特に英語学科の友人と仲が良くなり、スケートやローラースケートを楽しむなど、スポーツをして遊ぶことが多い。日本で生活していた時は、あまり外出する方ではなく、ましてやスポーツをする機会もなかった。しかし、中国に来てさまざまなことに挑戦してみようという意欲がわいてきた。特に人と人との関係を積極的に築こうという意識が強くなったと自分で感じる。言葉が通じないからこそ、コミュニケーションを日本にいた時よりも積極的にとりたい、と感じている。国は違うが相手が人間、ということには変わりはない。今までは友達任せだったことも、異国で過ごすことにより、他人任せにできないことも増えてきた。留学により勉強面だけではなく、メンタル面でも留学前より成長していけたらと考えている。留学後は就職活動が始まってしまうため、今のうちからさまざまなことに挑戦し、帰国後しっかりと切り替えて就職活動にのぞめるようにしたい。

万里の長城にて