韓信大学での秋学期も残すところあと一か月半となりました。韓信大学も恵泉と同じように自然に囲まれた大学なので、今の時期は紅葉がとてもきれいです。,br> 10月半ばには中間考査があり、徹夜して勉強する学生のために寮の門限が一時的に免除されたり、図書館の自習室がすべて24時間使用可能になったり、大学の学生課からは中間考査で夜中まで勉強している学生のために、軽食の提供も行われていました。日本の大学では教授によって試験ではなくレポート提出によって単位をもらいますが、韓国の大学のほとんどは中間・期末考査ともに必須で、さらにグループ別課題や発表、レポート提出などがあり、評価も絶対評価ではなく相対評価なので徹夜してまで勉強する学生が多いようです。私も今学期は中間・期末考査にグループによる発表課題、レポートすべてあるので大変ではありますが、韓国の学生の大学スタイルを経験することができるいい機会だと思います。
10月は気温差が激しかったので風邪をひいてしまったのですが、同室のチェコからの学生が、早く風邪が治るようにと「あなたのために」と日本語のメッセージ付きで飲み物をくれました。わざわざ日本語を調べてくれたことがとてもうれしく、心が温まりました。
下旬には、韓信大学の神学科によってひらかれた礼拝に参加し、今回は特別に日中韓の言語で聖書を奉読するということで、申命記16章13~15節を奉読する機会をいただきました。礼拝のなかで牧師の方が、周りに座っている人に「私と一緒にいてくれてありがとうございます」と感謝の言葉を伝えてみましょう、とおっしゃり、初めて会う人ばかりでしたが実際に互いに感謝を伝えあいました。留学してみて常に感じることですが、自分のそばに誰かがいてくれたり、新しい友達との出会いであったり、人とのつながりはとても素晴らしいことなのだと礼拝を通して改めて感じました。
また、日本から母が会いに来てくれました。母が初めての韓国旅行ということだったので、明洞や仁寺洞など観光客の多い場所へ行きました。普段韓信大学周辺では日本人観光客としてではなく学生と過ごしているので、観光地で店員に日本語で勧誘されたりすることが不思議に感じました。
旅行中には少し残念な出来事もありました。客の大半が外国人観光客のお店で夕食をとったとき、ほとんどの店員が客に対して「いらっしゃいませ」、「ありがとうございます」という言葉を言わず、料理を出すときも無言・無表情でした。おそらく客の大半が外国人なので、言葉が通じないと思ってそのような態度をとっているのだろうと考えたのですが、相手がどんな人であろうと関係なく、相手が嫌な思いをするような接客はしてはいけないと思いました。韓国のアルバイトの時給は日本の約半分から3分の2程度なので、たびたび韓国のアルバイトの態度の悪さが取り上げられ、逆に日本の徹底した接客に関する議論もよく耳にします。
時給が安いから適当に仕事をする、時給が高いから良い接客をするというのではなく、人として、相手が気持ちよく買い物や食事ができるように思いやらなければいけないと思いました。もちろん丁寧な接客をしてくれる方も多く、韓国でアジョシ・アジュンマ(おじさん・おばさん)と呼ばれる中年の方が営んでいるお店では、まるで自分の子どもたちを世話するように接してくれ、家庭的な雰囲気を感じることができる、そういった良さが韓国にはあります。留学を終え日本に帰国したら就職活動をしますが、これから社会に出て働く社会人として、常に相手を思いやれる人でいたいという心構えをもついい機会になりました。