3月から中国 杉達大学へ留学している学生から現地レポートが届きました。学生② 派遣留学生の声:中国

2016年05月15日 

最近は上海も梅雨入りし、雨や雷が非常に多くなった。日ごとに寒暖差が激しいため、一層体調管理にも気を付けたいと思う。

【授業および勉強面】

最近はアメリカやカナダ、エジプト、ブラジル、イエメン、タイなど、様々な国から短期留学生が大勢来るようになった。そして私たちのクラスにイエメンからの留学生が一名加わり、イギリス、コロンビア、日本、イエメンという多国籍なメンバーで授業をしている。みなすぐにイエメンの彼と打ち解けることができ、授業も一層活気のある雰囲気になったように思う。そして、パワーポイントの発表内容が更に重視されるようになった。以前は最近の出来事を数分発表するだけであったが、彼が授業に加わってからは自国の文化紹介など更に内容が深くなった。準備にかなりの時間を要するため大変に感じることはあるが、お互いの理解を深める良い機会と思い力を入れて臨んでいる。

JTBでインターンをしている水曜と木曜は、午後がすべて埋まってしまうのであまり勉強ができない。その為、それ以外の平日は今まで以上にしっかりと勉強するようになった。最近はリスニングのCDを聴き、聴いた文章を文字に起こす練習をしている。聴いて分からない単語は、ピンインと声調を聞き取った通りに書いていく。そして一つ一つしっかり答え合わせをしていくと、ピンインと声調を正確に覚えることができる。日本人は、漢字は見て分かるが発音が分からないという状況が非常に多いように思う。私もその状況が多くあったが、このリスニングを初めてからは段々とその問題も解消されている。

そして、日本語学科の友人と交換日記を始めた。私は中国語で日記を書き、友人は日本語で日記を書く。そしてお互いに交換して、添削し合っている。その友人とは普段あまり会う時間がない為、交換日記はお互いの近状報告もでき一石二鳥である。

また、会話力向上のために、中国人の友人を寮に呼んで対話練習の相手をしてもらっている。話の内容は最近の出来事や考えている事についてで、特別に難しい内容ではない。その為、言いたい事は大方伝える事ができる。しかし接続詞や副詞、介詞の細かい使い分けを完璧に取得できていないため、細かい言い回しまでは正確に中国語で表現することがまだ難しいと感じた。この対話を通して毎回新しい課題を見つけることができる。そしてその度に解決していくと、確実に習得できる。最近では積極的に中国人学生と会話をするようになり、授業内での発言も増えた。そして、体育の授業で日本語学科以外の新しい友達もできた。彼女たちと留学生の寮で一緒に料理をし、食事をしながらお互いの文化について語り合い、非常に楽しい時間を過ごした。最近は会話力の成長を感じることができ、より留学生活が充実したように思う。

【生活面】

最近では、家族が日本から私宛に送った荷物が大学に届かず、空港の荷物センターで留められるという事態が起こった。日本から荷物を送ってもらった事はこれが二度目である。一度目は問題なく大学に届いたのだが、二度目に届かなかった理由は、二度も日本から10キロ以上の荷物が送られてきた為に転売などをするのではないかと疑われたからのようである。中身は、洋服やその他生活用品、レトルトの食品だ。一度目で問題がなかった為今回も問題無いと安心していたが、思わぬ所で穴があった。結局大学から片道三時間かけ、わざわざ荷物を取りに行く羽目になった。しかし、道に迷ったこともあり受け取り所に行った時には、既に受付時間を終了していた。そして仕方なく二度目に行った際、その場で様々な提出物を要求され非常に困った。同行してくれた中国人の学生が対応してくれた為、何とか荷物を受け取ることができた。しかし、受け取り時には高額な請求をされた。今後、一切日本から荷物を送ってもらうことはないだろう。これは中国に来て、初めて遭遇した大きな困難である。

【旅行会社でのインターン】

5月の中旬から日本の旅行会社であるJTB上海でインターンを開始した。インターンに参加している学生は、私を含めて二人だけだ。私は水曜日と木曜日の午後に参加しているが、二人が同じ日に一緒になることはない。日替わりで一人の学生が出社している状態だ。インターン生というよりかは社員の補佐的役割であり、社員からの要求がある度にその要求に合わせ業務を行う。業務内容は、パスポートの情報確認・入力、パワーポイントによる顧客に向けたホテルの提案ページを作成する等、様々である。私はタイピングが非常に得意な為、データの入力やエクセルを利用しての資料作成など、パソコンで作業をすることが多い。また、団体客用のネームタグ作成や、移動のバスに貼る行先が書かれたプレートの作成、Eチケットと保険申込書等の名前を揃えて封筒に入れる等、いわゆる事務作業も行う。これらは単純な作業ではあるが、かなりの時間を要する。また、少しでもミスがあるとお客様にも会社にも多大な迷惑をかけてしまう為、例え簡単な作業であっても一つ一つ与えられた業務には責任を持って取り組んでいる。日本語を中国語に訳す作業などもある為、なによりも自身の中国語の勉強にもなっている。インターンとしてのJTB上海での業務は毎回とても充実しており、非常にやり甲斐を感じている。

社内で働いている人は、日本人と中国人が半分半分の割合だ。その為、社内のコミュニケーションは日本語と中国語が入り混じっている。社員は皆、必ず母国語以外の言語を取得しており、また中国人社員は皆日本語があまりに流暢なため非常に驚いた。名前を聞かなければ日本人か中国人か分からない程だ。そして、ここに来て初めて大学以外の場所で日本人と関わった。多くの方が単身で上海に来ており、常に上を目指し情熱を持って仕事をしている。皆のポテンシャルや向上心の高さには圧倒されたが、海外で生き生きと働いている彼らの姿が、私には非常に輝いて見えた。

社員の方は皆とても温厚で優しく、一人黙々と作業している時にお菓子を分けてくれるなど、非常に心地良い職場環境である。退社後には一緒に食事へ行くこともあり、関係も非常に良好である。そしてインターンを始めたことで、生活にも締まりができた。大学から会社まで距離があるため、電車の移動時間を利用して英語のリスニング音声を聴き、また中国語の授業で習った単語の復習をしている。机に向って勉強ができない分、時間を有効的に使う努力をしている。しかし、インターンがある日はどうしても疲れてしまうので、授業の休み時間に宿題を極力終わらせ、体調を崩さないよう毎日の食事や睡眠時間にも今まで以上に気を付けるようになった。非常に良い習慣が付いたように思う。

また、インターンを始めるようになり、初めて一人で外出するようになった。中国のバスは運転が荒く、乗車する際はいつも運転手に急かされるため、最初は一人でバスに乗ることが非常に不安で仕方がなかった。そして乗客も非常に多くいつも大混雑状態であり、買ったパンを潰されずに帰れた事は一度も無い。このようにぎゅうぎゅうのバスには未だ慣れないが、中国人に負けないように努力する根性は身に付いたと思う。そして電車に乗っている時にハプニングが起きても、駅員に声を掛け一人で対応できるようになった。他に、買い物をする時なども店員に声を掛け、様々な要求や質問をできるようになった。インターンを始めたことにより、一人で外出するようになってから、毎回多くの成長を感じることができている。