韓国 梨花大学に留学している学生から現地レポートが届きました。 派遣留学生の声:韓国

2016年06月15日 

6月になり、夏学期が始まってちょうど3週間が過ぎた。初級の2級クラスも無事修了し、今学期から中級クラスである3級になる。2級クラスではクラスメートととても仲良くなったため、新たにクラスが入れ替わるのは残念な気持ちもあるが、新しいクラスでも仲良くできるように努力している。

夏学期が始まる前に3週間の休み期間があり、ちょうどそのときに母と祖父母が日本から訪ねてきてくれた。3泊4日間の滞在でソウル、釜山、慶州を観光した。韓国旅行というと、私はいつもソウルばかりで地方には行ったことがなかったのでとても新鮮だった。特に慶州は新羅時代の首都であり、日本でいえば京都のように世界遺産が多いことで有名である。仏国寺や石窟庵などの代表的な世界遺産を観光し、釜山では部屋の窓から海が一望できるホテルに泊まるなどして、久しぶりに家族とリフレッシュするいい機会となった。

地方にいる間は、基本的にタクシーで移動した。韓国人の運転も運転手も怖いため韓国に来てから使ったことがなかったのだが、学校以外で韓国人と接する機会が滅多にないため、長い移動時間での会話がいい練習となった。そのタクシーで気づいたことは、突然に今の状況と関係のないことを言われると、私は全く理解できないということだ。これは普段わからない単語があっても、知らず知らずのうちにその場の雰囲気でなんとなく理解したふりをしていたためだろう。韓国語には漢字語があるため、知らない単語でも発音が似ていれば雰囲気でわかってしまうことが多いのだ。普段も韓国の固有語よりも漢字語を使うことが多いが、固有語よりも漢字語のほうが硬い印象を与えると聞いたことがある。今後さらなる韓国語の上達のためにも、今以上に単語力を上げていきたい。

また、実は私が一人で韓国に半年も留学をするなどと言ったら、祖父母はとても心配すると考え、留学のことは私が韓国に来てから約1か月経った後に母から祖父母に伝えてもらっていた。しかし、今回の旅行で私が韓国語でやり取りする姿を見せてあげられたことにより、祖父母の不安を少しでも払しょくできたと思っている。

ある時中国人の友達に「日本のイメージはあまりよくなかったが、日本人にこうして会ってみるとマナーが良く、とてもいい人ばかりだ。」と言われた。そこで中国での日本に対するイメージを訪ねてみたのだが、多くの中国人はやはり政治的な問題から「反日」感情を持っており、特に中国人大学生の大半は日本に対してあまりいいイメージを持っていないのだそうだ。前学期に知り合ったチューターの韓国人学生にも、会って2回目にはアベが嫌い!とはっきり言われた。このように実際に私が出会った、政治的反感やいいイメージを日本に持っていない人たちも、実は日本のアニメや文化は好きで、日本を訪れた経験がある人も多い。このことから、この留学で私が出会った中・韓の人たちは政治と文化を別に考えていることがわかった。それとは逆に、日本人で反韓・反中感情を抱いている人たちの多くは、政治と文化を別々に考えていない場合がほとんどだと感じるので、そこが日本人と中国・韓国の人との大きな差だと感じた。

また、友達に日本人のマナーについて言及された際、自分自身の最近のマナーを振り返ってみると、私は日本にいるときのように振る舞っていなかったことに気づいた。日本では肩がぶつかったら多くの人がひと言謝るが、韓国ではほとんどの人が振り向きもせず過ぎていく。韓国では電車やエレベーターも降りてくる人を待つより、先にどんどん乗り込んでいく。韓国での生活に慣れてきた私は、それが当たり前になってきているのか、自分勝手にふるまってしまうことがあったように感じたので反省したいと思った。