夏休みが始まり、私は中国東北部に位置する"吉林省"で2ヶ月間過ごすことになった。吉林省に"延吉市"という地域があるのだが、ここは「吉林省延辺朝鮮族自治州の州都」であり、私の生まれ故郷でもある。
延吉の特徴として、至る所に朝鮮語が表記されていることが挙げられる。例えば、飲食店、病院、駅などの看板には必ず中国語と朝鮮語、2つの言語が表記されてある。街中を歩けば、誰かが朝鮮語を話しているのをよく耳にする。
また、延吉の代表的な食べ物といえば、"冷面"と"羊肉串"である。"冷面"は朝鮮料理の一つで、そば粉・デンプンなどで作ったコシの強い麺をゆでて冷やし、肉・野菜・キムチ・スイカなどをのせて冷たいスープをかけたものだ。いわゆる日本の冷やし中華だが、見た目も味も全然違う。"羊肉串"は羊肉の串焼きで、中国独特の調味料につけて食べる。
伯母の家の近くに"布尔哈通河"という河が流れているのだが、夜になると河沿いの建物や橋がライトアップされて、とても綺麗である。ライトアップのほかに噴水もあり、私はその美しい夜景を見るために、毎日と言っていいほど河沿いに行って散歩していた。私のように散歩する人はたくさんおり、とても賑やかである。
延吉にいる間、私は"帽儿山"と"中国朝鲜族民俗园"へ遊びに行った。"帽儿山"の名前の由来は、山の形が「帽子」に似ているからだ。山全体は草木が生い茂っており、木陰があって涼しかった。私と祖父は山頂に向かう途中、"帽儿山"の自然を満喫し、山頂に辿り着いた後、延吉の風景を一望した。
"中国朝鲜族民俗园"は「延辺朝鮮族自治州創立60周年」を記念するために建設された民俗園である。ここは観光地のわりに観光客が全く居らず、とても静かな場所だった。民俗園には朝鮮風の建物やシーソーとブランコがあった。どうやらシーソーとブランコは朝鮮民族の伝統的な遊び道具らしい。
せっかくなので、私と伯母は"大酱房"という朝鮮風の味噌を売っている店で、朝鮮民族の衣装を着て、記念撮影をした。衣装は1着20元(400円)でレンタルしたものだ。"大酱房"の内装はとても可愛らしく、記念撮影するのにうってつけの場所だった。
ふだん、私の祖父母は日本に住んでいるが、一ヶ月だけ中国に遊びに来ていた。中国で祖父母に会うことはめったにない機会なので、私はとても嬉しかった。祖父母が中国にいた間、私は祖父母と"图们"に住んでいる祖父の妹さんの家にお邪魔した。"图们"の印象は、人や車が少なく、山や緑が多かった。私たちが"图们"にいた時、"日光山森林公园"と"图们江雕塑(彫刻)公园"と"浑春防川边防文化展览馆"へ遊びに行った。
"图们江"は中国と朝鮮の国境を流れる大きな川であり、川の周辺にはいくつかの民家があった。"图们江雕塑公园"には朝鮮民族の衣装を着た女性の彫刻やシーソーで遊んでいる女の子たちの彫刻などがあって、とても面白かった。"浑春防川边防文化展览馆"には中国東北部の歴史や文化に関する展示がたくさんあって、とても興味深かった。
私は伯母や祖父母といろんな所へ遊びに行き、素敵な思い出をつくることができて本当に楽しかったし、嬉しかった。有意義な中国での夏休みを過ごすことができた。