中村 聡美 さん 日本語日本文化学科

■卒業年:2011年3月卒業
■勤務先:同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科に進学

私は現在、京都にある同志社大学大学院のグローバル・スタディーズ研究科というところで学んでいます。本研究科は社会学に属す学問を行っており、地球規模の問題を捉え、深く学ぶことを目的としています。日々変化する世界のことを学ぶことはとても興味深く、自分の研究に関してもやるべき課題はたくさんありますが、テーマとしている問題について深く学び、一つの研究をつくり上げていくことに楽しさも感じています。また、私の所属している研究科では、色々なイベントの企画もあり、それらを通して貴重な経験を得ることができました。現在こうした環境にいられること、興味のある国際問題の学習に特化できることは私にとって大きな喜びでもあります。

しかし、日々感じていることですが、恵泉に入っていなければ今自分がこうした学問を追究することもなかったように思います。大学に入学するまで明確な目標もなくただ学校で教わることを受動的に学んでいた私に、学ぶことや学問を追究する楽しさを教えてくれたのが恵泉でした。大学での所属学科は日本語日本文化学科でしたが、大学一年生の頃から、恵泉の国際社会学科の授業に興味を持ち、国際問題を追究することにのめり込んでいきました。どの授業も本当に興味深く、毎回の授業を心待ちにしていたことを覚えています。恵泉の先生方は学科に関係なく学生と接してくださるので、違う学科の私も授業だけでなく様々な後援会や国際関係のイベントに参加させていただき、貴重な経験をたくさんさせていただきました。それに加え、大学時代には行動力もつけることができたように思っています。恵泉の「平和研究入門」に影響を受け、机上の学習だけでなく自分自身も国際協力に参加してみたいと考え、大学一年生の頃にタイにボランティア活動に訪れました。タイではスラム街や孤児院などをまわり、実際に現場で働いている方とお仕事をさせていただいたのですが、貴重な経験、刺激を数えきれないほどもらったように感じています。
その経験がもととなり、より何かをしたいと考えNGOに所属をしたり、戦争や原爆について多くの人にその過去を伝えていくため、区の平和使節団として広島に行き、学んだことを区の人々に発表する機会、その後に戦没者追悼式典という場でスピーチをさせていただく機会をいただきました。こうした過去の出来事を振り返っても、いつも私を動かすきっかけとなったのは恵泉での学びだったように感じています。恵泉の国際の授業の軸となる「平和学」は、どんな問題とも密接に関係しており、常に様々な問題に取り組み、平和を構築するために自分は何ができるかということを考えさせてくれました。自分が大学時代に恵泉の授業で強く関心を持った「国際協力」や「戦争」、「原爆」に関する活動に取り組むことができたのも、行動力を促進してくれた学校での力強い授業、私の活動に背中を押してくださった先生方のお陰だと思っています。学科が違うにも関わらず、私をいつもあたたかく迎え、知識や貴重な経験を得る機会を与えて下さった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

また、私はゼミの担当教員である篠崎先生にも、影響をたくさん与えていただきました。私の所属していたゼミは、近現代文学を扱ったものだったのですが、この授業では文学に描かれている社会現象や歴史、ジェンダーの問題などに焦点をあてて学ぶことが多く、毎回の授業が文学という枠を飛び越えて行われるものでした。先生から学んだことは数えきれないほどあります。特に、ゼミナールでは「名作といわれている文学作品に「疑い」をかけて読む」ということを常に行ってきたのですが、こうした「疑い」というのは文学に限らず、様々なかたちで私たちに必要となってきます。テレビや新聞などのマス・メディアについてもそれは言えます。日頃私たちの周りで起こる事件や問題の一つ一つ、それらを報じる報道も、ただ受動的に受け取るのではなく、「疑い」を持ち、自分自身でそれらを調べてみたり、考えてみるなど、能動的に学んでいくことの大切さを大学時代に培ったように思っています。こうした経験は今現在、世界で起こる様々な問題について学んでいることにも必要であり、私の中で活きている部分が多いと感じています。篠崎先生のご指導はもちろん、私が活動していることを、常に応援し、励ましてきてくださった先生の存在に、私はいつも支えていただきました。

どんな時も背中を押してくれ、興味や関心を持ったことを応援してくださった先生方、友人のいる恵泉は、私にとって目標や可能性という「柱」を与えてくれた場所でした。そうした「柱」を大学時代に見つけられたからこそ、今の私、現在追究している学びがあると私は感じています。恵泉の先生方、大学時代の友人たちとは今も定期的に連絡をとっています。私は恵泉を自分の第二の家だと思っていますし、私を支えてくれる先生方や友人たちは私にとって家族のように大切な存在であり、原動力であると感じています。こんなにも大事な存在や、学びを得られた恵泉との出会いに感謝の気持ちでいっぱいです。恵泉で教えていただいたことを活かしながら、大学院でより多くのことを学び、自分の研究としてそれらを残せることを目標に、今後も全力を尽くしていきたいと思います。

同志社大学大学院の内藤正典先生を囲んで(中村さんは左の手前から2番目)

同志社大学大学院の見原礼子先生を囲んで(中村さんは2列目右から2番目)