■卒業年:1996年3月卒業
■勤務先:恵泉女学園大学
皆さん、こんにちは。卒業生の長田直子さんを紹介します。長田さんは日本語日本文化学科の前身である日本文化学科の卒業生です。桜美林大学の大学院で国際学修士号、総合研究大学院大学で文学博士号を取られ、今は恵泉女学園大学の非常勤講師として日本史関係の科目を教えています。では、これから長田さんのインタビューを始めます。
問:長田さんは日本文化学科に入学なさいましたが、選んだ理由は何ですか?
答:史学科のある他大学も考えましたが、社会や文化のさまざまな領域を総合的に学
びながら、その中で日本の歴史を考えたいと思っていました。結局、それができる
恵泉の日本文化学科に入学することになりました。
問:卒業後は一度会社に就職なさいましたね。
答:はい、建設会社の資材部購買課に就職しました。ビルやダムを作る時に、どんな会
社のどんな人々が、それぞれどのように関わっているか、お金はどう動くかなど、そ
れまで全く知らなかったことを、仕事を通じて学べたので、今から考えれば良かった
と思います。
問:結局会社を辞めて大学院に進学なさるのですが、何かきっかけがあったのです
か?
答:このまま勤めていれば、多分一生この仕事をするのだろうと考えました。でも、一生
の間にやれること、やりたいことが他にあるのではないかと思い、会社を辞めて一
年間かけて考えました。その結論が大学院進学でした。
問:大学院は何を基準に選んだのですか?
答:一つは学部と直接に結びつかない独立系大学院ということです。内部進学の院生
が大部分というところでは、外部から入学した院生にとって困難な点が多いの
で・・・。もう一つは社会や文化の中での歴史を学べるようなコースがある所というこ
とで、桜美林大学大学院の国際学研究科環太平洋地域文化専攻を選び、そこで修
士号を取りました。博士課程のときは専門性を考えましたが、やはり歴史だけという
のではなく、学際的な研究ができる総合研究大学院大学を選びました。
問:長田さんは卒業論文で、明治から昭和にかけて西洋料理が日本の家庭料理になる
プロセスを取り上げましたね。
答:医療も食文化もどちらも人間が生きて社会の中で生活していくうえで基本的で不可
欠なもので、私はそういうものの歴史に関心を持っています。卒論と今の研究テー
マへの関心は一見違いますが、私にとっては「医食同源」というか何というか・・・
問:大学のときのお友達も、やはり研究の方面に進んだ人が多いですか?
答:いいえ、保育士になった人、エステティシャンとして第一線で活躍している人、会社
に勤めながら趣味の方で頑張っている人、結婚してお母さんになった人、いろいろ
な人がいます。みなそれぞれに強く生きていますね。
問:最後に一言お願いします。
答:私が恵泉に入学してから常々思っていることは、偏差値で大学の内容の善し悪し
や、学生の「幸せ度」が決まるわけではないということです。確かに、私が入学を考
えていた大学の史学科は偏差値的には恵泉より上でしたが、今思えば、そこに入
学していたら、一度就職した後で、また大学院に入り歴史を研究することは、なかっ
ただろうと思います。恵泉での学びが、それ以後の研究につながったように思いま
す。また、学生さんたちには、大学での学問はもちろん、学生時代に興味あることを
色々とチャレンジして欲しいと思っています。
インタビュアー:どうも、ありがとうございました。