10月5日から3泊4日、チェンマイ県のムアンガティアン村という山岳民族の村にフィールドワーク兼ホームステイに行きました。
この村にはカレン族とモン族が住んでいるが、各民族でまとまり別々に生活して
います。
私たちはそれぞれカレン族の家にホームステイをしました。
この村はキリスト教を信仰していて、食べる前に必ずお祈りをします。
日常生活で話すカレンの人々の言語はパガニョー語ですが、チェンマイ市内に近いため子どもたちは学校でタイ語を学んでいます。村の子供は、町に出たときにタイ語がしゃべれないためにいじめにあったり、馬鹿にされてしまうこともあるそうです。だから、村を出てもタイ語で市内の人たちとコミュニケーションをとれるように村で事前に学ぶそうです。
お母さんたちも学校を出ている人が多くタイ語を話します。私たちは村の人たちと、タイ語を共通語として、パガニョー語を教えてもらったり、日本語を教えたりして
さまざまな言語でコミュニケーションを取りました。
村には教会の横に保育園があります。保育園でもタイ語を学びます。
村での生活は、トイレや水浴びは昔の風習が残っていますが、村には政府の援助で電気が通り、村の人たちはケータイ電話を持つなどの近代化も見られました。
私がお世話になったホームステイ先のお母さんは、村全体で取り組んでいる一村一品運動(OTOP)で販売する織物のために毎日機織りをしていました。OTOPで得たお金は子どもたちの教育費や村の食費として使われ、村の生計を立てる一つの手段となっています。しかし、収入は教育費や村の食費などで差し引かれるので現金収入としては少ないそうです。
ホストファミリーのお父さんは村の中で建築の仕事をしています。子どもは女の子が2人それぞれ村の保育園や学校に通っていました。
お父さんの仕事は、村の手伝いのようなもので、小遣い程度にしかならず、現金収入ほとんどないようです。この村の基本的な生計は自給自足にあり、鶏・豚・水牛などの家畜もいました。
私のこの村での生活はのんびりとしたもので午前中はお母さんの機織りを手伝い、
午後は昼寝をしたり畑や近所の家に遊びに行ったりしていました。
子どもたちが帰ってくると家はにぎやかになり、一緒に村を回って遊びました。
最初この村に来た時は、私たちが生活しているチェンマイから一時間半ほどしか
かからない場所にあるのに生活のあまりの違いに驚きました。
しゃべる言語も家の形も様子もまるで違う。日本では考えられないものでした。
しかし何も不自由を感じなかったのは村の人々の温かさがあったからだと思いま
す。
コミュニケーションをとることの難しさも村の人々がよく話しかけてくれたり、
日本語を覚えてくれたり、身振り手振りで意思を伝えてくれたおかげで戸惑うことも少なく
感謝の気持ちでいっぱいです。
(A.H)