8月27日(木)の午後の授業は、タイの教育についての講義を受けました。主な内容は、学校外教育( Non-Formal Education)と先住民に対する教育の現状と課題についてです。
講義をしてくださったのは、チェンマイ大学の教育学部で教えていた、カリフォルニア出身のケン先生と、ケン先生の教え子であり、山地民の問題解決に取り組んでいる
NGO
"IMPECT ;Inter Mountain Peoples Education Culture in Thailand Association"で勤めているラフ族とカチン族のハーフのキン先生です。
まず、ケン先生がフォーマル教育と比較しながらノンフォーマル教育の概念について分かり易く教えてくださいました。
フォーマル教育では学習内容が統一され、すぐに生活で実践できるような学習は少ないが、一方でノンフォーマル教育は教育の対象も学習内容も形態も非常に多様であり、その人の生活に必要なことを学ぶのが特徴であるとのことでした。
次に、キン先生が実際にある村のコミュニティスクールを例に挙げタイの山地民に合う教育について教えてくださいました。元々、学校のある村は少なく教育の機会は不平等でした。そこで、地域の人たちが子どもたちに民族の文化や村の農業などを教えるコミュニティスクールが設立しました。コミュニティスクールが運営されたことで、様々な問題の解消につながっているそうです。さらに、設立当初はNGOなどの外部機関が主体でしたが、最近では村人主体でニーズに合った運営ができているとのことでした。スムーズな運営のため、他の山地民の教育機関と協力し、教育政策提言を目指しているそうです。
今回の講義を受け、ノンフォーマル教育への関心がさらに深まりました。タイは町と村で生活様式が全く違うからこそ、ノンフォーマル教育という形態がここまで発展しているのだと感じました。そして、タイの山地民に向けた教育は試行錯誤しながらも発展し続けていること、スムーズな運営のためには政府との関係が重要であることがわかりました。
そろそろ本格的に体験学習先について考える時期です。今回の講義で学んだことを含め、興味関心の分野についてさらに深め、具体性・主体性・目的をしっかりと持って活動に取り組みたいと思います。