チェンマイに来て3週間がたち、生活にも慣れてきました。今回は、タイの教育についての講義についてお話ししたいと思います。教えてくださったのは、チェンマイ大学教育学部の教授であったアメリカ人のケン先生と、山地民の問題解決に取り組んでいるNGOで働いておられるカレン族のエー先生です。
タイでは、文部省の統一された教育カリキュラムによる教育が実施されているため、さまざま文化背景を持つ村の子ども達は、自分たちに適した教育を受けることが困難になっているのが現状です。そこでチェンマイの山岳にあるカレンの村の村人達は、村の子ども達に合った教育を行うコミュニティースクールをNGOなどの支援を受けながら開校しました。ノンフォーマル教育を行うコミュニティースクールでは、フォーマルな学校で習うことに加え、村で生活していくうえで必要な知恵や技術を身に着ける授業が行われています。国からの資金を得ていないため、村の大人たちが、ボランティアで先教えたり、さまざまなところから寄付を募ったりしながら学校を運営しているそうです。村人たちが、子ども達と村の未来のために力を合わせて取り組んでいるということが伝わってきました。
村のコミュニティースクールでは、子ども達の成績を重視することはありません。そのため、子ども達は、自分自身から積極的に自分の学びたいことを学ぶことができます。一人一人の子どもは、学びたいことも生活に必要なことも違います。子ども達が学びたいことを自分で選択し、実際に目で見て耳で聞いて勉強していくことが大切だと思いました。またそのために、国や大人たちは、多様な教育をすべての子ども達に提供していくことが必要だと考えました。