講義「カンチャナブリ泰緬鉄道と日本の戦争史」

2017年09月22日  投稿者:国際社会学科3年 Daao

私たちは、8月28日から9月1日の5日間でチェンライにフィールドトリップをしてきました。そして最終日に、9月末のカンチャナブリフィールドトリップの事前授業として、京都精華大学名誉教授のボゲット先生のお宅で泰緬鉄道についての講義を受けました。

泰緬鉄道とは第二次世界大戦中に日本軍の陸路での燃料や物資の確保のために、タイとミャンマー間の415㎞にわたって建設された鉄道です。イギリス軍の建設計画では建設期間が10年と予想され、現実的ではないと中止になったものの、日本軍は欧米人の捕虜やアジア人労務者の手によって、実際は1年と数か月という期間で完成させました。この短期間での完成のために、捕虜やアジア人労務者は過剰労働させられ、またそれにより10万人が亡くなりました。

私はこの講義で初めて泰緬鉄道について、また日本側からの戦争の認識ではなく、敵国や日本の支配下にあった国々の目線で学ぶことができました。そして日本軍の捕虜や労務者への扱いの悲惨さを知ることができました。私が中学や高校で習った授業や使用した教科書、広島の原爆ドームや戦地であった沖縄を訪問した経験から、第二次世界大戦は、日本の敗北や犠牲者、原爆の被害や戦後の貧しさなどが、私の中で大きくクローズアップされていました。そのため日本が敵国や支配地域での行いをあまり知らず、今回タイに訪れ、ボゲット先生の講義を聞くことによって、戦争の違う面を知ることができました。そして未だに残る戦後処理のさまざまな問題を考えるうえで、泰緬鉄道について学ぶ機会がありよかったと思います。

そして今回の講義をおこなったボゲット先生の自宅は、日本やタイ、その他のアジアの歴史的に貴重なものが博物館のようにたくさん展示してありました。今まで見たことがない異次元のお家だったので、私は終始興奮していました。先生も気さくな先生で、貴重な話をたくさん聞かせてもらい、楽しい時間を過ごすことができました。

ボゲット先生のコレクションの一部
昼食のアボカド料理
お家の前での集合写真