体験学習テーマの学び「結婚から見る村人の人間関係」
2018年01月12日 投稿者:国際社会学科3年 木村彩香
私はパーユアン村というカレン族の村で「結婚から見る村人の人間関係」というテーマで体験学習を行い、結婚が村人同士の人間関係にどのような影響を与えるのかを、結婚式と結婚に関する決まりから考察しました。
カレン族の結婚式と結婚に関する決まりから、結婚が新郎新婦だけのものではなく、村全体が関わる大切な行事であることが分かりました。結婚式に関する決まりの中に農業の忙しい4月には結婚できない、という決まりがあります。これは結婚が一生に一度の大切な行事であり、新郎新婦のために村全体が農作業などの仕事をストップし、村人全員が結婚式に参加するためです。結婚式には多くの村人が参加するため、彼らに配慮し結婚時期に関する決まりが存在しています。結婚式は3日間続くのですが、式中の食事の用意から、お酒の準備、儀式の進行などを村人たちが協力しながら行います。
調査から、結婚式の中で村人同士が協力し合うことによって、結婚式への参加が村人同士の絆が深まる要因の1つになっているのではないかと考えました。絆が深まることによって、日常生活の中でも村人同士助け合いながら、暮らしていくことが可能になるのではないかと思います。また新郎新婦は多くの村人が結婚式に参加し、式の進行に協力してくれたことによって、結婚式を通して村人に対して感謝の気持ちを持ち、結婚後お世話になった村人たちのためにも村での仕事を積極的な姿勢で取り組むことができるのではないかと考えます。
日本の結婚とカレン族の結婚を比べてみると、結婚式に関わる人の人数に大きな差が出ます。日本の結婚式は参列者は家族や親族が一般的だと思いますが、カレン族の結婚式には新郎新婦に関わる全ての人が参加することができます。なぜカレン族と日本の結婚式への参加人数の違いがあるのかを考えると、人との関わりの希薄化が双方で違いが出る原因の1つとなるのではないかと思います。現代社会の人との関わりの希薄化の原因は、国の経済が発展することが要因の1つではないかと考え、今後は日本の経済発展によって人々の関係がどのように変化していったのかを考えていきたいと思います。