第2期体験学習の学び(児童養護施設 BAAN MITRATORN)

2018年11月13日  投稿者:国際社会学科3年 井原美波

10月8日から25日までの18日間、児童養護施設のBAAN MITRATORNで第2期体験学習を行いました。今回はこの期間に学んだことについて書いていこうと思います。

今回の体験学習で私は、子どもへの接し方について学びました。施設には、普段から牛乳を飲みたがらない少しわがままなところがある幼稚園児の女の子がいます。彼女はよく「食べたくない、飲みたくない。」とスタッフへ言っているのですが、その日は余程嫌だったのか「嫌だ。」と泣き叫んで周りも少し困惑気味でした。そこにマスー(シスターのことですが、ミトラトーンではマスーと呼んでいます)がやって来て女の子を一人にさせました。他の部屋に移動した私やスタッフはどうなることか女の子のことが気になっていたのですが、途中でマスーは女の子がいる部屋に私を呼び入れてくれたので、私は女の子とマスーのやり取りを近くで見ることができました。女の子はしばらくすると泣き疲れてしまい、そのタイミングを見計らい、マスーは女の子を抱き寄せ、牛乳を差し出しました。すると女の子はきちんと牛乳を飲んでいました。

マスーはこの後私に「子どもが何か原因があって泣いたり、心が乱れていたりするときは、それに対して手を差し伸べ、サポートする。でもその子が感情的になっている場合はその感情が落ち着くまで待ってあげる。周りの人と一緒ではなく一人にさせるが、決して無視、放置するのではなく、自分とその子が一対一になるようにし、寄り添う。」と説明してくれました。はじめ私は一人で泣いている女の子に感情移入し(私は牛乳が嫌いで飲めないので昔の自分を見ているようでした...)、かわいそうだなと思っていましたが、マスーの話を聞いて、まずは感情的になっている女の子を見守り、落ち着かせることが大切なのだということを学びました。

次の第3期が最後の体験学習期間となります。BAAN MITRATORNの活動理念がどのように実際の活動と関連しているのかを見ることのできる最後の機会です。しっかりと観察、そしてスタッフへの聞き取りも行いつつ、子ども達、スタッフと楽しく過ごせたらと思います。

里親が見つかり施設を出ることになった子のアルバム整理のお手伝い。写真を見に来た別の子が写真の女の子の名前を一生懸命呼んでいました。