講義「タイの農村社会」
2022年08月23日 投稿者:IS 3年 M.H
こんにちは。 「タイの農村社会」の講義は、チェンマイの郊外にあるMeeNaという、ミシュランのビブグルマンに選ばれたことがある創作タイ料理レストランで昼食を食べた後、北タイのNGOワーカーの古株で、北タイ文化の復興と継承のためにチェンマイで、Local Wisdom Schoolを開校したチャチャワン先生にお話を聞きました。
チャチャワン先生のお話は大きく3つに分けられます。最初に、タイ、そしてチェンマイ県の地理的特徴について、気候や環境が異なることで生活様式も多様になるというお話がありました。チェンマイは平地が1割、丘陵地が3割、残りの6割が山地です。一言でチェンマイ県と言っても標高が異なる場所では気候が違うので、山間部の村はその地にあった農作物を栽培し、着る衣服の違いもあるそうです。
2つ目は、これらの農村が抱える問題についてです。山地にある村の7割は森林保護地区や国立公園内に存在し、違法に暮らしている扱いとなるので土地の所有権や使用権がありません。このような村がなんと2000もあるそうです。またバンコクに流れるチャオプラヤー川の水源が北タイの山地にあるため、水源地の森を守るため、そこに村が昔からあるにも関わらず、北タイの多くの山地が森林保護地区に指定され、強制退去をさせられた村もあるそうです。
3つ目は私たちが、農村に行った時に見るべきことについて教えてくださいました。村で見るべきことは、以下の4つの項目です。
- 信仰や儀式、習慣を含む村の歴史
- 自然資源管理
- 生産システム
- 人間関係
これらが複雑に絡み合って村が構成されていること、常に変化していること、そして村の外からの影響、例えば、政府、メディアなどの影響も意識して見なければなりません。私たちは自分の研究テーマに沿って調査をしますが、そのテーマだけでなく、上記の項目が密接に関わっていることを意識して、包括的に村を見ることが必要だと仰っていました。都市にどんどん建物が増え開発が進むように、村も変わり続けます。常に変化しているという視点で見ることも大切なことだと今回のお話を聞いて学びました。
今回のお話では本当にたくさんのことを学びました。来月、実際に農村ホームスティしながら学ぶ機会があるので、今日学んだことを意識して、村人からいろいろな話を聞いてみたいと思っています。