山地民の村のホームステイ
2022年09月23日 投稿者:IS 3年 A.K
こんにちは!今日は自然と共存しながら持続可能な暮らしを実践している村での2泊3日のホームステイ体験についてお伝えしたいと思います。ホームステイ先は、チェンマイから車で約2時間の山岳にあるヒンラートナイ村というカレン族の村で、人口110人、村人は精霊信仰を崇拝しています。自給自足農業を営んでいて、森で採れたタケノコやお茶、蜂蜜などを売って現金収入を得ています。
私たちが村に到着した日、村では招魂儀礼の儀式が行われていました。私たちも宗教リーダにそれぞれの魂を呼び戻してもらい、魂がまたどこかへ行かないように糸で手首に巻き付け結んでもらいました。夕方になると各家の主人が宗教リーダーの家に集まり、用意された儀式の最初の一杯と最後の一杯をその家の精霊に捧げ、残りのお酒を皆で飲んでいました。宗教リーダーの家の儀式が終わると次の家に移動し、その家の儀式のお酒を飲みました。ヒンラートナイ村は19世帯あるので、19の家で同じように各家の儀式のお酒を飲み干します。儀式のお酒は各家のお米で作られる蒸留酒なので、アルコール度数も高く、一口飲んだだけでも喉が熱くなりました。
次の日は、片道約1時間半、森の中を歩いて村人の田畑を見に行きました。山の斜面を焼いて作った畑に着くと村人は畑からウリのように大きなカレンのきゅうりを採り、儀式のために締めた豚の足や鶏の手羽を焼いて、昼食のおかずを作ってくれました。大自然の中で気持ちがよく、普段はあまり好きではない手羽も美味しく食べることができ、自分でもビックリしました。豚や鶏の殆どの部位を無駄にせず調理しているのを見て、普段自分たちがどれだけ食べられる物を無駄にしているかを実感しました。
今回は村の儀式があり村の休日だったため、畑仕事のお手伝いをする機会はありませんでしたが、畑までの山道には急な坂や沢があり、往復しただけでとても疲れ、翌日は全身筋肉痛になってしまいました。農作業するだけでなく、採れた作物を背負って山道を日々、行き来している村人達はとてもすごいなと感じました。
村では村の女性が織った布を見たり、村の話をたくさん聞かせてもらいました。3日間のホームステイを通して、普段都会で暮らしている私たちがどれだけ物に依存して生きているか、便利な生活を当たり前だと思い自然の恵みに感謝していないこと、村に行くまで電気のない生活は想像できませんでしたが、電気がなくてもお互い助け合いながら生活している村人を見て、幸せに生きるために大切なことは何なのかを考える良い機会になりました。私たちを暖かく受け入れてくれた村人たちに感謝します。ダブルパド(カレン語:どうもありがとう)