NGO訪問
2023年09月19日 投稿者:PH 3年 Mali
サワディーカ~!今回のブログでは、わたしたちが訪問したNGOについてお話します。
タイにはストリートチルドレン、近代農業が引き起こす環境問題など、さまざま課題があります。チェンマイでは、それらの問題を解決するために多くのNGOが活動しています。それらのNGOの方のお話を聞いた中で特に印象に残っているのは、有機農業を推進するNGO「グリーンネット」のスタッフであるプイさんのお話です。
プイさんはチェンマイ県メーオン郡メーター区で有機種子(有機農業で生産されたタネ)の管理・保存・普及活動を行っています。また、近代農業を行っている農家に対しても、環境負荷の少ない有機農業への転換をサポートしたり、有機農業で生産された野菜の販売なども行っています。近代農業とは、産業革命以降の人口増加に対して、作物をより効率的に、大量に育てるために、農薬や化学肥料を用する農業スタイルのことを指します。近代農業では、作物を育てる畑に多量の農薬を散布することで、作物を食害する虫などが発生しないような環境を作ります。そこで収穫された作物は、大企業が所有する家畜の飼料として販売されたり、虫食いの無い「綺麗な状態の野菜」として、スーパーなどで売られたりします。一見、合理的なシステムのように見えますが、実際にそのような栽培方法には大きな代償が発生します。農薬が使用された畑では、作物がよく育つために必要な生態系が破壊されていきます。それにより、作物を育むために必要な土壌の養分は失われていき、やがて農薬は「農薬を使用する人自身の健康」も蝕んでいくそうです。実際にプイさんのご両親は近代農業を行っていましたが、農薬を使用していくうちにお母さまが体調を崩されてしまい、そのことがきっかけで有機農業へ転換したそうです。
プイさんが行っている有機農業では、農薬を使用せず、コンパニオンプランツ(対象の作物と虫が嫌う匂いがする植物を一緒に栽培し、虫を忌避させる方法)などを利用して、環境やそれを「作る人」、「食べる人」に負荷のない方法で野菜を作っています。プイさんは、「その人が食べるもので、その人の身体は作られる。自分がしあわせで健康な状態で生きていくためにも、もっと自分の食べるものについて考える必要がある。」と仰っていました。自分は今まで「自分が食べたもので自分の身体が作られている」ということをよく意識したことがなかったため、プイさんのお話に強く衝撃を受けました。これからは自分の食べているものが、どこでどのように作られたものなのか、自分が食べるものが与える影響などをよく考えながら、買うようにしていきたいと考えています。
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