タイ・チェンマイからの手紙 「長期フィールドスタディ」体験記

恵泉女学園大学では、日本や外国を理解する際に、机上の知識だけでは学び取ることのできない人間的な理解こそ必要だと考えています。恵泉女学園大学では国外現地授業として、約5ヶ月間タイで実施される長期フィールドスタディが用意されており、今も、多くの学生が現地で学んでいます。そんな様子を学生の皆さんが現地からレポートいたします。

学生の体験学習テーマと体験学習先

2024年11月12日  投稿者:PH 3年 Aitim

いよいよ体験学習が始まりました。体験学習では、学生それぞれが関心のあるテーマについて学びを深めるため、村や組織に約2カ月間滞在します。今回は、体験学習のテーマと体験学習先を紹介します。

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泰緬鉄道と戦争

2024年09月29日  投稿者:PH3年 Aitim

タイ長期FSが始まり、もうすぐ2カ月が経とうとしています。私たちは、9月15日から19日にかけて、日本軍が犯した戦争犯罪、泰緬鉄道について学びました。まず、チェンマイ県からナコンサワン県を経由し、車で11時間かけてカンチャナブリ県へと向かいました。初めに泰緬鉄道博物館(Death Railway Museum)と、第二次世界大戦博物館を見学しました。博物館には、泰緬鉄道についての歴史だけでなく、そこで起こっていた栄養失調による病や伝染病、日本軍による過酷な労働や拷問などの資料が多く展示されていました。 

翌日は、日本軍建立の慰霊碑と連合軍共同墓地へ向かった後、泰緬鉄道に乗り、ヘルファイアパス・メモリアルというオーストラリア政府が寄付をして建てられた博物館を見学しました。そこには、泰緬鉄道で残酷な体験をした連合軍捕虜たちの悲惨な体験談が動画で流れていました。見学後は、最も犠牲者が出たと言われている「地獄の切り通し」まで歩き、連合軍捕虜と捕虜によってできた、高さ10mもある断崖を通りながら、日本が犯した罪を肌で感じました。

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チェンライ農村ホームステイ・フィールドトリップ

2024年09月15日  投稿者:PH4年 Lily

チェンマイの滞在期間も1カ月になりました。タイ語の授業やタイの文化、歴史などの講義を終え、私たちは9月2日から9月6日までチェンライというタイの最北端の県に行ってきました。フィールドトリップ前半では京都精華大学名誉教授のボゲット先生による「泰緬鉄道」についての講義、タイ長期3期生伊能さくら先輩が運営するSharingについての話と先輩からのアドバイスを聞きました。後半ではパンラオ村(1963年に豊かな土地を求めて東北タイからチェンライに移住した東北タイ人の村)で2泊3日のホームステイをしました。Sharingとはチェンライの山岳エリアに存在するさまざまな深刻な社会問題を解決するため、その地域の人々と共に歩み、より良い社会づくりを進めるタイの団体です。さくら先輩は主に日本人を対象にボランティア活動や村のホームステイのアレンジを行っています。

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2024年度長期タイフィールドスタディ(FS)スタート

2024年08月09日  投稿者:PH4年 Lily PH3年 Aitim

2024年8月6日にタイ長期FSがスタートしました。タイ長期FS は、恵泉女学園大学と北部タイの都市チェンマイ市にある国立チェンマイ大学との協定をもとに実施している約5か月間のスタディプログラムです。今年の参加学生は、社会園芸学科4年Lilyと同じく社会園芸学科3年Aitimの2人です。プログラムの前半はタイ語の授業を受け、タイ語を学ぶとともに、タイの文化や歴史、農村についての講義を受け、実際に北部タイの村や山地民の村へホームステイをします。その中で体験学習のテーマを固めていきます。後半は約2か月間の村やNGOなどの組織での体験学習を通して、体験学習のテーマに関する理解を深めていきます。

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体験学習の学び①クルーナム財団・子どもの家

2023年12月18日  投稿者:IS2年 Tawan

皆さんこんにちは。今回は体験学習で学んだことをお伝えします。 私はクルーナム財団の子どもの家という施設で2か月間体験学習を行いました。クルーナム財団では、タイとミャンマーの国境付近の家庭に薬物や暴力などの危険がある子どもたちを救済、支援する活動を行っています。子どもの家では3歳から17歳まで、64人の子どもが5人のスタッフと共に生活しています。子ども達のほとんどが無国籍で、多くがミャンマーから来ている少数民族です。
私が今回の体験学習で学んだことは2つあります。1つ目は、子ども達が愛し愛されることの大切さ、2つ目は子ども達にとって親と暮らすことが一番の幸せとは限らないということです。ここで暮らす子ども達は、家庭に問題があり、親に愛されて育ったとは言えません。しかし、スタッフや子どもの家にいる仲間は、どんな状況の子どもに対しても愛情を持って接していて、子どもたちにとって親以上に愛してくれる存在であると感じました。子どもの家で愛されて育った子ども達は、他人に対して愛情を持って接することができ、私にも愛情を持って接してくれました。子ども達は自分の幸せを見つける力を備えていて、「かわいそうな子ども」ではありません。私は体験学習を通して、このような子ども達の手助けをしたいと改めて強く感じ、自分のやりたいことがさらに明確になりました。 今回、実際に子どもを支援する現場を見ることができたことは、とても貴重な経験になりました。この経験を無駄にせず、さらに自分の将来に向けて頑張りたいと思います。

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