タイ・チェンマイからの手紙 「長期フィールドスタディ」体験記

恵泉女学園大学では、日本や外国を理解する際に、机上の知識だけでは学び取ることのできない人間的な理解こそ必要だと考えています。恵泉女学園大学では国外現地授業として、約5ヶ月間タイで実施される長期フィールドスタディが用意されており、今も、多くの学生が現地で学んでいます。そんな様子を学生の皆さんが現地からレポートいたします。

体験学習一期を通して学んだこと ヒンラートナイ村

2015年11月09日  投稿者:人間環境学科4年 安藤美季

私は体験学習の第一期で、子供たちと過ごす時間が多く、助けられながら生活をしました。昼間は子供たちとセサと言われる木の実を森に拾いに行きました。セサとは、見た目がドングリに似ている木の実です。森の道は滑りやすく、子供たちに足の滑る場所を教えてもらいながら行きました。子供たちとは、誰がセサを多く拾うか競争をしたり、木の実を割ったりしてとても楽しかったです。家の手伝いをするさいにも、子供に包丁がある場所やセサの焼き方、火のつけ方など、子供たちに多くのことを教わりながら助けられた一期でした。

私は、一期を通して学んだことは、人とのコミュニケーションです。私は人見知りで、はじめは自己紹介をするのもやっとでした。行動も起こしてもいないのに、このまま仲良くなれないのかもしれないと思っていました。ちょうどそのときくらいに、寒い日があり、焚火をみんなで囲む機会がありました。そのとき勇気を出して、話しかけてみたら、みんな暖かく話に答えてくれました。もっと早く行動をしていればよかったと思いました。二期からは、積極的に行動したいと思います。

2期ではどれくらい自給できているかということにフォーカスを当てようと考えています。具体的には、毎日の食事で何が取れたかを記録することから始め、お世話になっている家だけではなく、何軒かのお宅を回って調査したいと思います。また、実際に畑にも行って、何が育っているのかも見ていきたいです。

循環型畑での稲刈り

第一期体験学習を終えて:Empower財団より

2015年11月05日  投稿者:JL4年 (K.H)

10日間のあっという間の第一期体験学習を終え、緊張の「第一回報告会」を行い、息をついたのもつかの間のことでした。第二期の体験学習の開始は目前です。

わたしの体験学習先である「Empower財団」で、わたしの主な活動となったのは、<日本語講師業>となってしまいました。本来、<日本語教育>は私のテーマとはかけ離れているため、すこし遠回りをしているのかもしれません。本題から逸れてしまって、調査の進捗が思わしくないことは、ちょっとばかり不安でした。

しかしこれもきっと何かの縁です。生徒さん(と言っても、皆さん私と同じ年齢層なのですが)が頑張って来てくれるうちは、私も頑張ろうと思いました。毎日生徒さんが継続して来てくれるというのは、嬉しいものですね。自然と心持ちの引き締まる気持ちでした。

言葉の足らないわたしは、押山先生のサポートを受けながら、何度かEmpower財団のスタッフの方々にお話を聞く機会を頂戴しました。スタッフの皆さんはとてもお忙しい方々なので、なかなかお話の時間が充分にとれないのは難点です。

第一期の体験学習では、Empower財団のメンバーの構成や創立の大まかな歴史を追いながら、財団について理解を深めました。そんな一期を過ごして、最終的には「タイ社会の<セックスワーカー>に向くジェンダー観」というテーマで報告書がまとめられるように、第二期では調査を進めたいと思います。

日本語の授業

第1期体験学習を終えて

2015年11月02日  投稿者:人間環境学科3年 楢崎唯

いよいよ体験学習がスタートしました。体験学習ではメンバー各自、自分のテーマに沿った体験学習先でそれぞれ学びを深めていきます。今回は第1期ということもあり、まずは村人と同じリズムで生活し交流を深めること、村の基本的な情報を収集することを目標に10日間過ごしてきました。最初は村人と打ち解けられるか緊張と不安で綯交ぜになっていましたが、そんな気持ちも徐々に消え去って充実した日々を送ることができました。

わたしの滞在先は有機農家の家庭であるため、基本的にお仕事のときは野菜の水やりのお手伝いをしたり、休みのときはメーター区ツアーと題して田んぼやお寺、カフェに連れて行ってもらったりしました。言葉の壁にぶつかって通じ合えないことも多々ありましたが、諦めずに色んな手段をつかって伝え、相手が何を考えているのか想像力を働かせて汲み取ることが何よりも大事なことであると実感しました。

わたしは持続可能な開発を研究テーマのキーワードにしていますが、今回滞在して感じたことは「資源の豊かさと地域の自立」は繋がっているということです。メーター区は自然が豊かな地域で、村人が利用している森林から必要な水を賄い、それらの資源を活かして豊かな食料を得えています。しかし、その豊かさも森林伐採や近代農法などによって直面した問題と向き合い、30年という長い時間をかけて村人が行動してきた成果でもあります。目の前にあるものを大切にし、自然と向き合うことが、地域の自立に必要なのだと感じました。

現在は第2期に向けてチェンマイ市街の寮で準備をしています。第1期の中で特に考えさせられたことが「地域の自立」についてです。メーター区では地域の資源を活用しつつ有機農業や共有林など様々な形で持続可能な開発をおこなっています。その中でも村人がどのような考えを持って地域づくりに関わっているのか、世代交代されようとしている現在地域づくりを担う現役世代と新世代がどのような役割を担っているかを見てみたいと思うようになりました。第2期ではそうしたことを念頭に置いて調査をしようと考えていま..す。

滞在先近くの田んぼにて

体験学習第一期を終えて-カレン民族ヒンラートナイ村

2015年10月28日  投稿者:IS3年 清水なつみ

10月16日、10日間の体験学習第一期を終えてチェンマイに帰ってきました。第一期の全体の課題は、体験学習先の概要を調査してくることでした。私は、チェンライ県にあるヒンラートノーク村で体験学習を行っています。ヒンラートノーク村には、村人たちが運営しているコミュニティスクールがあり、私はコミュニティスクールに通う子どもと公立小学校に通う子どもの生活スタイルの比較をテーマに掲げています。第一期ではコミュニティスクールは学期休み中だったために、村に慣れ、村人に顔を知ってもらうこと、村の概要の調査を中心に過ごしました。村の概要の調査では、特に村を何度も歩き、村人に協力してもらいながら地図を書き上げることができました。

 

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村の子どもと

私の体験学習のテーマ⑥

2015年10月25日  投稿者:人間環境学科4年 安藤美季

私の体験学習のテーマは「循環型農業で取れる食物 村人の食の自給」です。村人が循環型の畑を通し食の自立をしているのか、調査しようと考えています。

大学での生活園芸を通して、自分自身が食べるものを種から育て食べることの大切さ、楽しさに気づいてから、農業に関心がわくようになりました。大学4年間で農業のことを勉強する中で、種問題や自然農法に興味がわくようになり、タイ長期ではタイの種問題か自然農法を調査したいと考えていましたが、タイエスニックグループのプラスート先生から、カレン族の循環型農業の話を聞き興味をもつようになりました。

体験学習先のヒンラートナイ村はチェンライ県ウィアンパパオ郡パンポン区の国立公園内にあるカレン族の村です。ヒンラートナイ村ではカレン族の伝統的な循環型焼畑農法で生計を立てています。焼畑農法というとマイナスなイメージがつきまといがちですが、約20年前に学者が入り、循環型焼畑農業が森林保全であることが証明されています。 カレン族の循環型焼畑農法は休閑期間があり1年目2年目3年目で住んでいる動物や植物が異なってきます。私は、循環型の畑を通し、村人が1年目2年目3年目で何を収穫し食べ、食の自立をしているのか、調査したいと思います。村での生活の不安も大きいですが、頑張りたいと思います。

ブタの餌にするバナナの幹