大学院つれづれ日記

恵泉の名前は知っていても、大学院の存在は知らなかった、というあ なたへ。大学院ってどういうところ?何をするの?と疑問をもつあなたへ。大学院教員と大学院生の生の声をお届けします。

ジェンダー文化特講

2012年02月10日  報告者:稲本万里子

ジェンダーは、よく切れるナイフに喩えられています。それは、ジェンダーが学問領域ではなく、言語学や文学、歴史学、美術史学など、さまざまな領域のテーマを新しい視点から切り取ることのできる手法のひとつだからです。

私の専門である美術史学では、今までは、作品の様式、すなわちスタイルから、制作者や制作年代を明らかにしていくという研究方法が用いられてきました。これに対して、新しい美術史学では、今まで美術として扱われていなかった漫画、映画、写真、ポスター、チラシなど、ありとあらゆるヴィジュアルなイメージが研究対象になります。そして、ヴィジュアルなイメージは、それを作らせた人の権力や幻想、欲望を反映したものであると考え、イメージから逆に権力や幻想、欲望を読み解くという方法を採ります。そのときに有効なのが、ジェンダーの手法というわけです。

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『交差する視線―美術とジェンダー2』(ブリュッケ刊)

なぜ援助は必要なのか

2012年01月16日 

日本のODA(政府開発援助または公的開発援助)に30年近く携わってきて、たどり着いた疑問が、なぜ援助が必要なのかです。ここには、誰のための・どのような援助が必要なのかという根源の問題も内包されています。

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インドネシア トラジャの村での聞き取り調査

イギリス応用言語学会について

2012年01月12日 

新年あけましておめでとうございます。みなさん、今年の目標に向かって歩み始めていることと思います。

私は人文学研究科で「第二言語習得論」を担当しています。2011年度は、4人の受講生と言語習得を通して日本語教育、英語教育、言語について研究しています。今回は、第二言語習得と言語教育を研究対象とする学会の一つ、イギリス応用言語学会についてご紹介します。

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イギリス応用言語学会予稿集

地域社会史 アメリカ

2011年12月07日 

「地域社会史担当者より」

私は地域社会史(アメリカ合衆国)という科目を担当しています。大学院の授業は今年お休みをいただいていましたので、昨年の様子をお伝えすることにします。

アメリカ合衆国の全体像入門にあたって、アメリカの都市・文明評論家ジェイン・ジェイコブズの遺作『壊れゆくアメリカ』を読みました。さまざまな興味をお持ちの院生がいらっしゃるので、入門にもなり、しかも著作の論述の単純さから、もっと調べてみよう、反論してみようという気持ちにもなる本といったわけで選んだ本でした。「書評」を書くことを最終課題にしているからです。

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日本語教育コース紹介

2011年11月25日 

みなさん、はじめまして。私は人文学研究科文化共生専攻で、日本語教育コースの科目を担当している秋元美晴です。私の専門は語彙ですので、現代日本語の語彙論や語彙教育について院生のみなさんと一緒に研究しています。2011年度の大学院の1年生は3名で、2年生は1名です。そのうち日本語母語話者が2名、中国語母語話者が2名います。

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