現在の北京にある天壇は、明の永楽帝(えいらくてい。在位1402-24)が築いた大祀殿に始まるもので、清の乾隆帝(けんりゅうてい。在位1736-95)の治世に整備された。清末に焼失したが、現在のものは乾隆年間の様相を復元したものである。
中国では古来、天を祭祀する儀式が皇帝によって行われてきた。その位置は原則として南郊(なんこう。都の南側の郊外)で、北京の天壇も紫禁城(現在の故宮博物院)の南にある。北京の天壇は、明・清両王朝の歴代皇帝が祭天の儀を行った場所であった。永楽帝の頃には天と地を一緒に祭祀していたが、後に天壇は天のみを祭祀する場となり、地の祭祀は北郊の地壇で行うこととなった。現在の北京の安定門外にある地壇公園がそれである。
2012年1月10日
天壇:北京の皇帝の廟壇(中華人民共和国)
2012年01月10日