2012年1月

マグロと七福神(日本)

2012年01月24日

2012年が明けて東京は築地市場、正月5日の初競りで一匹269キロのクロマグロが5,649万円という史上最高値で落札。「役者」は津軽海峡を回遊していて大間であがった。さぞ、幸せだったろうとマグロの気持ちを代弁した報道アナウンサーがいたが、「おい、本当はどうだい?」と人の胃袋におさまる前に聞いてみたかった。役者を見送った北の海の「花道」が今日は大寒の朝を迎えている。

破格の話題に関心も高かろうと制作されたTV番組であったのか、この頃に偶然にも素人が目にすることもないマグロ漁をみた。場所は竜飛崎、一本釣りするその漁師の心臓にはペース・メーカーが入っているという。自分の体重を優に超えるマグロを引き上げる壮絶な修羅場、その時だ。海に飲まれんとする釣竿をさばくその手は暴れる心の臓を鎮めんとしてまた七転八倒、ぐいと水をつかんで大飲みする姿が仁王立ち。驚いた、その漁師の口から「弁天様!」という絶叫がついて出た。

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ウェストミンスター宮殿(イギリス)

2012年01月23日

現在ウェストミンスターは特別区としてロンドンの一部となっているが、元来は異なる都市であった。「シティ」と呼ばれて金融街の代名詞のように用いられている旧市街のロンドン市(the City of London)とは別に、テムズ川を少し遡ったところにウェストミンスター市(the City of Westminster)はあった。「ウェストミンスター」という地名は「西方の修道院」 (West Monastery) の省略形であるとも言われる。ロンドン市にセント・ポール寺院があるように、ここにはウェストミンスター寺院が聳える。

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ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園(アメリカ合衆国)

2012年01月18日

カナダ、アルバータ州ウォータートン・レイク国立公園とアメリカ合衆国、モンタナ州、グレイシャー国立公園の国境を跨ぐ世界自然遺産。平和の名とはうらはらに、南、アメリカ側、グレイシャー国立公園で最近まで訴訟が続いていた。その地を自らの大地として繁栄していた、先住民族ブラックフィートの子孫が合衆国政府からの不当な扱いの賠償を求めて戦ったからである。争いはアメリカ合衆国の西進によって狭められた先住民の地をさらに、国立公園の指定(1910年)が追い討ちをかけた20世紀初頭にまでさかのぼる。先住民が押し込められた居留地さえも、国立公園の名のもとに奪われていった歴史がこの遺産の背景にある。

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キューガーデン(イギリス)

2012年01月16日

イギリス人の優れた国民性のひとつに、物を集めて整理し、それを公開するという能力がある。ロンドンにある大英博物館とキューガーデンはその結集といえる。特に、キューガーデンには植物好きなイギリス人でしか成し得ない膨大な資料が蓄積されている。

キューガーデンはロンドンの南西部にあり、地下鉄が都心につながっているので交通の便がよく、年間100万人もの来園者がある。正式にはキューにある王立植物園で、英語ではRoyal Botanic Garden, Kewと書く。広さは132ha。園内は芝生に樹木が茂る風景式庭園となっていて、温室、宿根草展示園、ロックガーデン、バラ園、日本庭園、中国風のパゴダ(塔)などが点在する。また、園内では来訪者のための植物や生態・環境に関する講座も頻繁に開かれ、飽きることない植物に関するテーマパークとなっている。

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パームハウス 1848年に建てられたヴィクトリア朝時代の温室

天壇:北京の皇帝の廟壇(中華人民共和国)

2012年01月10日

現在の北京にある天壇は、明の永楽帝(えいらくてい。在位1402-24)が築いた大祀殿に始まるもので、清の乾隆帝(けんりゅうてい。在位1736-95)の治世に整備された。清末に焼失したが、現在のものは乾隆年間の様相を復元したものである。
中国では古来、天を祭祀する儀式が皇帝によって行われてきた。その位置は原則として南郊(なんこう。都の南側の郊外)で、北京の天壇も紫禁城(現在の故宮博物院)の南にある。北京の天壇は、明・清両王朝の歴代皇帝が祭天の儀を行った場所であった。永楽帝の頃には天と地を一緒に祭祀していたが、後に天壇は天のみを祭祀する場となり、地の祭祀は北郊の地壇で行うこととなった。現在の北京の安定門外にある地壇公園がそれである。

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