マチュピチュに次いで日本人に人気が高いアンデス文明遺跡といえば、ナスカ、とくにその広大な砂漠の台地をキャンバスにして描かれた巨大地上絵であろう。あまりの大きさに上空を飛行機が飛ぶようになるまで千年以上も発見されなかったといわれる地上絵だが、その不可思議な線の存在については、インカ帝国を征服したスペイン人による1550年の記録の中ですでに言及されており、またこのナスカの地上絵が20世紀考古学史上最大の発見のひとつとして世界中の注目を浴びるきっかけとなった1939年のアメリカ考古学者ポール・コソックによる偶然の発見の以前から、ペルー人飛行士たちの間では不可解な線としてよく知られていたらしい。