シリアの首都ダマスカスの北東215キロメートルにあるパルミラの遺跡、これは1980年に世界文化遺産に登録され、2013年には危機遺産に登録されています。ローマ様式の建造物が多数残っており、ローマ式円形劇場、浴場、四面門などで有名です。パルミラと書きましたがラテン語風にパルミュラと言う場合もあります。このパルミラは紀元前1世紀から紀元3世紀までの間、主にローマ領として栄えた最古のオアシス都市のひとつであると言えます。パルミラはその位置に恵まれていました、シリアとフェニキア、メソポタミアとペルシアを結ぶ要の位置にあり、シリア砂漠を横断しなければならない隊商隊にとってとても重要な中継地であったのです。ペルシア風、ローマ風、アラビア風というさまざまな文化を吸収し、パルミラは独自に発展しました。その中でも特筆すべきはベル神殿で、約210メートル四方という遺跡中最大の物です。さらに記念門から続く通りは列柱通りで、両側に並んでいたコリント式列柱750本の内150本が今も残っており、非常に重要な文化財として注目されています。