イタリアの首都ローマには、バチカンというもう一つの国家が内包されている。カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂とローマ教皇の居所であるバチカン宮殿を中心とするバチカン市国である。面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドよりも狭い。
ヨーロッパ
都市と国家 ― バチカン市国(バチカン)
2013年11月26日
ヨーロッパとイスラムの文明が共存した都市(スペイン、トレド)
2013年11月11日
「12世紀ルネサンス」という言葉がある。14-16世紀のいわゆるルネサンスに先立ち、中世のヨーロッパが迎えた新しい局面を指している。商業の発達、都市の勃興など、それはのちのヨーロッパの社会や文化の基盤を作り出すものであった。科学史の伊東俊太郎は、背後にはヨーロッパのイスラム文明との出会いがあったといっている。ヨーロッパには伝えられていなかった古代ギリシャの思想や、先進的なアラビア科学が、スペインやイタリアなどイスラム世界との接触が大きかった地域から流入し、ヨーロッパ各地に広まることによって、比較的静的であった社会に変化が起きたのである。
ハンザの夢の跡(ブリッゲン、ノルウェー)
2013年08月26日
ノルウェー南部の街スタヴァンガーからベルゲンへ行く最も早い交通手段は船である。スタヴァンガーからベルゲンは地図で見るとさほど遠くないし、完全な陸続きである。ノルウェーにだって鉄道も道路もある。それなのに何故、船が最速なのか?理由はフィヨルドである。ノルウェーの西海岸には深く切れ込んだフィヨルドが連なる。そしてフィヨルドの両側は切り立った岩山であるため、陸路は大変な廻り道とならざるを得ない。だからフィヨルドの外海を突っ切って進む高速船で行くのが一番早いのだ。
フランス王に正統性を与えた地(ランスのノートルダム大聖堂、サン・レミ修道院、トー宮殿)
2013年08月02日
リュック・ベッソンの映画「ジャンヌ・ダルク」(1999年公開)のハイライトの一つは、シャルル7世の戴冠式のシーンだろう。ジャンヌの快進撃によって、シャルルは大聖堂でフランス王としての儀式を行うことに成功し、冠を受ける。しかしその後、お墨付きを得た彼は、戦争を継続する意思を喪失してしまう。まもなくジャンヌは捕えられ、異端審問を受けることになる。
海洋国家のシンボル ―― ピサの大聖堂広場(イタリア)
2013年07月26日
「郷土愛」としばしば訳されるイタリア語に、「カンパニリズモ」(campanilismo)という語がある。ただし、日本語で郷土愛といった場合とは違って、カンパニリズモの持つ語感は必ずしも良いものではない。自分の住む町こそがどこよりもすぐれているというような偏狭な思い込みを揶揄して、むしろ否定的な意味合いで使われることが多い。