テオティワカンはメキシコ中央高原に出現した、アメリカ大陸最大規模の古代都市遺跡である。その起源は前2世紀中頃と考えられており、最盛期の紀元5世紀頃には15万~20万人の人口を擁し、その文化的社会的影響ははるかマヤ地域にまで及んだとされる。しかし1884年から開始され現在なお進行中の遺跡発掘調査も、目下のところこの壮大な遺跡のわずか8分の1程度にすぎず、これほどの都市を築きながら王の墓も文字記録も見つかっておらず、この壮大な都市を築いた民族の詳細や、また7世紀後半頃から急速に衰退したその理由など、未だ多くが謎に包まれている。
世界遺産ブログ
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AO入試後期(他大学との併願可)
また、授業としても「世界遺産検定」を推奨資格としています。
大学推奨資格
テオティワカンの古代都市 ―天地が交わる場所―(メキシコ合衆国)
2014年03月07日
日本初の自然遺産が守るべきものは何か(白神山地、日本)
2014年01月15日
白神山地は、青森県と秋田県にまたがり、広さ13万haにおよぶ山地帯です。このうち原生的なブナ林で占められ、豊かな生態系を擁する約1.7万haの区域が、1993年12月、屋久島とともに日本で初めて世界自然遺産として登録されました。
今でこそ白神山地は全国的に有名で、多くのハイカーや観光客が訪ねる場所ですが、かつては無名であまり人びとが寄りつかない場所でした。それが広く知られるようになったのは、1980年代に白神山地を縦断する青秋(せいしゅう)林道への反対運動が盛り上がってからです。
都市と国家 ― バチカン市国(バチカン)
2013年11月26日
イタリアの首都ローマには、バチカンというもう一つの国家が内包されている。カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂とローマ教皇の居所であるバチカン宮殿を中心とするバチカン市国である。面積はわずか0.44平方キロメートル、東京ディズニーランドよりも狭い。
ヨーロッパとイスラムの文明が共存した都市(スペイン、トレド)
2013年11月11日
「12世紀ルネサンス」という言葉がある。14-16世紀のいわゆるルネサンスに先立ち、中世のヨーロッパが迎えた新しい局面を指している。商業の発達、都市の勃興など、それはのちのヨーロッパの社会や文化の基盤を作り出すものであった。科学史の伊東俊太郎は、背後にはヨーロッパのイスラム文明との出会いがあったといっている。ヨーロッパには伝えられていなかった古代ギリシャの思想や、先進的なアラビア科学が、スペインやイタリアなどイスラム世界との接触が大きかった地域から流入し、ヨーロッパ各地に広まることによって、比較的静的であった社会に変化が起きたのである。
「アメリカ合衆国独立の聖地」(独立記念館)
2013年10月28日
1776年7月4日、イギリス植民地であった13邦(のちに州)の代表が集り、トマス・ジェファソンが起草したアメリカ独立宣言に署名した場所(もとはペンシルバニア州の議事堂)。「全ての人は生まれながらに平等であり、生命、自由、幸福を追求する権利を与えられていることを自明の真理であると信ずる」と謳い、イギリス国王ジョージ3世の専制的な植民地支配を非難した。ヨーロッパに向けて発せられた強い声明文は外にオランダやフランスの支援を仰ぎ、内では独立運動を一気に加速させた。さらに、1787年には憲法制定会議もここで開催され、世界最古の近代的成文憲法である現行アメリカ合衆国憲法が生まれた。アメリカ議会の上院、下院の名は、フィラデルフィアが首都であった1790-1800年、元老院を2階、代議院を1階で開催したことに由来する。