KPKA 第6回 紙芝居勉強会 (講師:柳田多聞先生)

2022年01月09日

11月19日(金)15:10から16:40まで、長崎県立大学の柳田多聞先生に、紙芝居の演じる上で重要な土台としての考え方と技法を、Zoomを通してご指導いただきました。
柳田先生は、赤ちゃんとお母さんのコミュニケーションの実験映像や、認知症のケアのためにフランスで考案された「ユマニチュード」という技法の動画を見せてくださりながら、人は応答を求める存在であるという前提と、相手を大切に思う気持ちとそれを相手が分かるように伝えることの意義について深く気づかせてくださいました。

そして、観客参加型の紙芝居を演じる際には、聞き手からのつぶやきや発話などを大切に聴き取りながら応答し、聞き手と一緒に作品世界を体験しようとする姿勢が重要だということを、実演の記録や動画によって分かりやすく示してくださいました。コミュニケーション論や心理学の知見に基づいた柳田先生のご講義から、私たちは人との関係の中で互いに人間らしさと優しさを大切にすることを忘れてはいけないという、人としての在り方についても考えさせられました。

今回柳田先生に教えていただいたことは、12月のこころ保育園での紙芝居お楽しみ会や島田療育センターでの無観客ライブ配信でもきっと活かされることでしょう。演じ手としての気づきが深まることによって、KPKAのメンバーが人としても豊かに成長できると確信します。柳田先生、心に深く残るご講義を、ありがとうございました。また、ご一緒にZoom参加でコメントをしていただいた多摩市立図書館職員の皆様にもお礼を申し上げます。

わたしのまなび

柳田多聞先生の紙芝居講座では、普段とは違う観点から紙芝居を学べました。心理学的な観点から人の心や、性質を学んで紙芝居についてお話をしてもらいました。柳田先生から教わり、自分の中で一番大切だと思ったことは、「紙芝居は、演じ手と観客が一緒に紙芝居の世界を創っていく」という考え方です。

演じ手が一方的に紙芝居を読むのではなく観客も巻き込み、応答しながら紙芝居を演じることができるのは、紙芝居だからこそできることでありとても大切なことだと学びました。そして、人間は応答を求める性質を持っているということを知りました。観客と、演じ手の間だけでコミュニケーションを取っていると思いきや、観客同士でもコミュニケーションを取っているというのです。応答の大切さがより身に沁みます。私はみんなで紙芝居の世界を創っていけるように演じていきたいと思います。そのためにはどう応答したらよいのか、参加しやすい空気の作り方については試行錯誤をしながらも、自分なりに演じ方を見つけていきたいと思います。

観客参加型の紙芝居の場合は、相手や場に合わせて、脚本通りの言い回しで演じなくてもいいということをお聞きしたので、演じる場合はその都度、雰囲気を感じ取ってそれに合わせた読み方をしたいと思います。また、自分の世界を出せたらいいなとも思うようになりました。自分だからこそできる表現の仕方を紙芝居にだして、自分らしさというものも大事に、そしてより豊かなものに創り上げていこうと思います。

(国際社会学科 1年 Hanami O.)

柳田多聞先生の講座で学んだことは2つあります。まず一つめは、ユマニチュードということばです。私はこの言葉と考え方を初めて知りました。認知症患者さんの映像にもあったように、看護師さんが患者さんの気持ちを考えず、一方的にケアをしてしまうと、患者さんは心を閉ざしてしまい、「ケアをあれる」ということに対して否定的になっていました。私もこの映像を見ながら患者さんの気持ちになってみると、たしかに、「家族でもない相手になんでケアなんかされるんだ、そんな気分じゃないのに触ってくるんじゃない、と感じるかもしれない。」と考えました。ですが、ユマニチュードの基本が「見る」「話す」「触れる」「立つ」でした。ユマニチュードは認知症患者の方だけではなく、普段家族や友達とやりとりするとき、紙芝居をするときにも取り入れられるのかな?と感じました。

そして二つ目は、聞き手の反応に話しても反応をしてあげるということの大切さです。柳田先生に、幼稚園での紙芝居をしている映像を見せていただきました。柳田先生の大学の学生さんが紙芝居を演じているときに園児たちが反応してくれているのに、学生さんはそれに応答しないで進めてしまっているために子どもたちは集中力を無くし、紙芝居を楽しんでいる様子ではありませんでした。しかし、柳田先生は子どもたちが発するちょっとした気づきにも素早く応答し、子どもたちもそれにまた反応し楽しんでいる様子でした。このことから、もしも自分が紙芝居をするときは、聞き手の小さな反応で見落とすことなく、素早く応答して、話しても聞き手も楽しめるような紙芝居にしたいと感じました。

(英語コミュニケーション学科 1年 Y.Y.)