2016年5月

恵泉教育の宝を地域の皆さんと共有した一日
~スプリングフェスティバル報告~

2016年05月30日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

5月28日、「恵泉スプリングフェスティバル2016」が開催され、多くの来場者で賑わいました。自然に恵まれた多摩キャンパスは今、新緑に心洗われるようです。一年で最も美しいこの季節のキャンパスを地域の方々に広く開放して恵泉教育の一端に触れていただくことを目的として、毎年、この季節にスプリングフェスティバルを実施しています。ご近所や地域で福祉関係の活動をしていらっしゃる方々、恵泉の保護者や同窓会の皆さまの参画・協力もいただき、大学が本当にたくさんの方々に支えられていることに感謝の思いを新たにする一日です。

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"良い母"プレッシャーに負けないで!

2016年05月23日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

今、女性が母として生きることは何と難しいことか。このひと月、ラジオやテレビの出演、女性雑誌の取材を通して改めて考えさせられました。
ラジオはNHKの「こそだてカフェ」。私は毎月第1火曜日9時からの30分程の時間帯に出演していますが、5月は3歳の娘にきつくあたってしまう母親からのご相談でした(5月10日放送)。テレビはNHK「すくすく子育て」で、良い母でなければという重圧に苦しむ母親がテーマ。こちらは今週5月28日21時~放映予定。雑誌は「VERY」で子どもの嘘に悩む母親がテーマ。6月発売予定の7月号です。

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思春期の子どもたちは、けっして荒れているのではない!

2016年05月16日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

5月14日、高大連携の一環として、都内の高校で保護者対象の講演会を行いました。土曜日の午前中でしたが、父親の姿も見られて、多くの保護者が熱心に聴いて下さいました。

テーマは「思春期の子どもの心を理解する」。 「思春期の子どもは扱いにくい!何を考えているのか分からない。不機嫌でロクに口もきかない。進路が心配。 無事大人になってくれるのだろうか...」。思春期の子をもつ親に共通の声です。

今、日本社会は少子化対策もあって子育て支援に注力していますが、その大半は乳幼児の親を対象としたものです。以前、ある新聞社主催の大きな子育てイベントに参加した時、帰り際に一人の母親が私を待ち受けて、ためらいがちに声をかけて下さいました。中学生の娘さんのことで頭を悩ましていて、藁にもすがる思いでこの会に参加したけれど、「今日は乳幼児の親が対象だったんですね。私のように思春期の子のことで悩んでいる親はどこにも行き場がなくて・・・」と、さびしげに語っていた姿が忘れられません。

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女の子はアインシュタインなんか知らなくていい?

2016年05月09日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

「アインシュタインよりディアナ・アグロン」という歌をご存知でしょうか?
"アインシュタインって どんな人だっけ? 聞いたことあるけど 本当はよく知らない""世の中のジョーシキ 何も知らなくても メイク上手ならいい""女の子は恋が仕事よ""ママになるまで子どもでいい""ニュースなんか興味ないし たいていのこと 誰かに助けてもらえばいい"・・・と、博多を拠点とするアイドルグループHKT48が歌っている歌です。

この春、担当している「心理女性学」の授業を終えて部屋に帰ろうとした私を一人の学生が待ち受けて、スマホの画面でこの歌詞を見せてくれた時には目が点になりそうでした。ノルウェーの教科書に、女の子は男の子に比べて能力が劣っているからという理由で、教科書に"女の子は解かなくてよい"というマークがつけられていたことを思い出してしまいました。でも、それは100年余り前の教科書の話です。
「女性の自立を妨げているのは男性社会ではない。女性自身の心の中に潜む男性への甘えと媚ではないか」と訴えて、ベティ・フリーダンが全国女性組織NOW(National Organization for Women)を立ち上げて、全米中に女性解放運動の旋風を巻き起こしたのが1966年、今から50年前でした。
1世紀・半世紀の時の流れが止まったかのような思いにとらわれている私に、先ほどの女子学生は「先生、私は勉強好きです」という言葉を残して立ち去っていきました。

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