糸魚川大火にめげずに~卒業生の奮闘
2017年01月16日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
昨年、12月22日に発生した新潟県糸魚川駅北大火の被害は想像を越えるものでした。
被災された皆さまには心からお見舞いを申し上げます。
各地で災害が起こるたびに、ご当地の方々、とりわけ関係者の安否が気遣われます。
この度の大火からほどなく、卒業生(日本文化学科2007年卒 青木資甫子さん)の実家が全焼したという知らせが、在学時にゼミを担当していらした秋元美晴先生から寄せられました。ニュースでも取り上げられていた、江戸時代創業の老舗料理店「鶴来家」さんです。秋元先生からは、家は全焼したけれどご両親も本人も元気でいらっしゃる、と電話での会話の様子もお知らせいただき、不幸中の幸いとひとまずは胸をなでおろしたところでした。
その後、年が明けた1月9日、早朝のNHKのラジオから、次のようなニュースが流れてきました。
「糸魚川大火から2週間。老舗料理店『鶴来家』が営業を再開しました。庭にしつらえた仮設の調理場で、店主の青木さんと二人の娘さんが手伝って、えちごトキめき鉄道に"雪月花"弁当26食を届けました。ベニズワイガニのちらしずしやタイのさんしょう焼きなど地元食材を用いた以前と変わりない弁当に、乗客たちの笑顔もこぼれていました」
調理具もすべて失った中での再開はどれほど大変だったことかと想像されます。年末にお見舞いのはがきをお出ししたところ、すぐに丁寧なお返事もいただきました。
「ご心配頂き感謝しております。今は再建に向け両親と共に頑張っております。気持を強く持ち、一歩一歩向かっていこうと思います」
何があっても、どこにあっても、強く、しなやかに生きていってほしいと願っている私たち恵泉教育の目標を、青木さんは糸魚川の焼け跡でしっかりと体現してくれています。