新入生フェロシップ報告~恵泉へようこそ
2017年04月10日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
4月1日(土)の入学式を終えた翌月曜日の4月3日、新入生フェロシップが行われました。
朝10時に全員チャペルに集合し、オルガニスト関本恵美子先生が奏でるパイプオルガンの、美しくも荘厳な雰囲気に包まれて始まりました。
しかし、司会の藤田智先生がマイクを握った途端、雰囲気が一転。チャペル内は笑いと拍手の渦に包まれました。当初は最初に学長挨拶をすることを依頼されていましたが、私は新入生の皆さんには入学式でたくさんお話をさせていただきました(4月3日の本ブログに掲載)。フェロシップは新入生を全教職員が歓迎していることを伝える機会ですので、学生に最も近いところで関わってくださる学生委員長の漆畑智靖先生に代わっていただくことをお願いいたしました。その旨、司会の藤田先生はこうお伝えになったのです。
「学長は入学式で皆さんに渾身の力を込めて恵泉女学園大学の教育理念についてお話をされました。力を使い果たして今日はバテテいますので、代わって学生委員長の漆畑先生がメッセージを送ります」。
もちろん教職員も新入生も大歓迎です。拍手喝さいで登場した漆畑先生のお話、それに続く4人の先輩学生のメッセージをお伝えいたします。
学生委員長 漆畑智靖先生「恵泉へようこそ」
新入生の皆さん、おはようございます。そして、ご入学、おめでとうございます。私は学生委員長の漆畑です。
今日は新入生フェロシップの日ですが、フェロシップという英語の意味を知っていますか?フェロシップとは、仲間であること、仲間意識、仲間としての連帯感といった意味です。つまり、今日の行事の目的は、皆さんを恵泉ファミリーの仲間としてお迎えすることなのです。仲間といっても新入生だけではありません。編入生もいますし、2年以上の上級生、教職員も皆さんの仲間です。恵泉は1929年に河井道というキリスト教徒の女性が作った伝統ある学園ですので、1929年以来この学園を巣立った大勢のOGもまた皆さんの仲間なのです。
恵泉の仲間たちは恵泉スピリッツを共有しています。それは、河井道先生の示した、聖書、国際、園芸の3つの理念に基づく教育です。恵泉はとてもユニークな大学です。聖書、国際、園芸を理念とする大学なんて聞いたことありませんし、1年間、必修の授業としてオーガニックの野菜を作る女子大なんて世界中どこを探しても存在しません。もし見つけたら、言ってください、私、坊主になってもいいです、もう髪の毛あまりないですが。ユニークでオンリーワンの女子教育、私たちはとても誇りにしています。今はまだわからないかもしれませんが、卒業するとき、皆さんもきっと誇りに思ってくれると信じています。
大学も個性的なら教員も個性的で、いい意味で変な人、面白い教員がそろっています。国際色豊かでもあり、中国、韓国出身、在日コリアンの先生、アメリカ、フランス、トリニダード・トバゴ出身の先生もいます。研究の世界で大活躍している先生、世界の紛争地帯を飛び回っている先生、いわゆる有名人の先生もいます。司会の藤田先生、見たことありますか?NHKでご自分の番組を持っていらっしゃいますし、学長の大日向先生は読売新聞の人生案内の回答者をされていますよ。
恵泉は小規模な大学なので、先生と学生の距離が驚くほど近いです。面白い先生、知的な先生、尊敬できる先生を探してください。友達も作りましょう。シャイな学生はなかなか話し出せないかもしれませんが、勇気を出してください。時間はかかるかもしれません、1人だけでもいいのです。親友がきっとみつかるはずです。
恵泉の一番の宝は学生です。恵泉の学生はみんなどこかキラッと光るものを持っています。先生のやさしく時に厳しい指導に導かれながら、恵泉生は自分の個性を磨くために目標をもって日々努力しています。これから各学科の先輩が皆さんを歓迎するメッセージを話してくれます。私たちが誇る、とても素敵な学生たちです。先輩たちから、恵泉ファミリーはどんな仲間なのか学んでほしいと思います。
国際社会学科3年 北田みどりさん
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
恵泉には多くの海外プログラムがあります。私は、昨年の8月から12月の約半年間、タイ長期フィールドスタディに参加して来ました。タイ長期フィールドスタディは、タイ語やタイの文化、歴史について学んだり、村でのホームステイをした後、それぞれのテーマにあった体験学習場所に別れ、調査を行うプログラムです。
私は、「児童労働から子ども達を守る教育、活動とは」というテーマで、DEPDCという児童労働から子どもを守るためにデイケアや教育を無償で提供しているNGOで調査を行いました。 言語や文化の違う人たちの中に1人で飛び込み、生活しながら調査をすることはとても勇気がいることでしたが、自分に自信が持てるようになったり、自分と向き合うことで、自分の弱いところが見えたり、本当に自分がやりたいことを発見できたりと、多くの学びを得ることができました。
大学は、自分から挑戦すれば、多くの学び、経験を得ることができる場所です。高校までは、「やりたい」で終わらせていたことに挑戦してみてください!恵泉には、自分を成長させてくれるプログラムがたくさんあります。学部、学科、関係なく、多くの人に参加してもらいたいです!きっと、恵泉での4年間が充実したものになると思います!
日本語日本文化学科3年 本多玲奈さん
みなさんご入学おめでとうございます。みなさんは恵泉に入学してこれからやりたいと思うことはありますか?自分の学科でこういう勉強がしたい、部活・サークルに入りたいなどと思っている人もいれば、まだ決めてないなという人もいるかもしれません。
私は恵泉入学当初、外国人に日本語を教える日本語教育を学びたいと思っていました。そのため1、2年生の頃は、日本語教育の道しか考えられずにいました。他にやりたいことがあっても、いつもためらっていました。ですが、恵泉でいろいろなことを経験し、学んだことで自分の気持ちと向き合えるようになり、他にやりたいことも受け入れられるようになりました。
私がみなさんに伝えたいことは、やりたいことを見つけたらそれを一生懸命やってほしいということ。でもそれは1つじゃなくていい。2つでも3つでもいくつでもいいんです。やりたいことが決まって、そこに足を踏み入れたら、思っていたのと違ったなんてこともあるかもしれません。そしたらまた新しい道を見つけてください。恵泉はそれができるところです。大事なのは恐れず自分の気持ちに素直になることだと思います。
みなさんにはこれから恵泉でのキャンパスライフが待っています。私たちと一緒にこのキャンパスライフを楽しみましょう。
社会園芸学科3年 萩生田有香さん
ご入学おめでとうございます。
社会園芸学科では社会や園芸を通じて人との関係性や地域社会を学ぶことができます。
中でも特徴的な科目は生活園芸の授業です。生活園芸の授業は社会園芸だけでなく、英語コミュニケーション、日本語日本文化、国際社会の学科の皆さんも受けることになります。
生活園芸の授業で私たちが年間で育てる野菜の数は10種類、花が2種類です。たとえば、きゅうり、じゃがいも、ほうれん草、サトイモ、ダイコン、白菜、花は麦藁菊とセンニチコウです。野菜は2人で一区画管理しながら育てます。
恵泉にとって園芸というのは自然や季節を感じたり、同じ畑を管理する友達や仲間との関係を築いたり、自分に一番身近な食の重要性を学んだり、生命の息吹を感じたりすることだと思います。私は園芸の学びを通じて普段の食生活の見方を改めたり、自分で収穫した野菜を家に持ち帰って家族で食べる団欒や、友達と調理する楽しさを学びました。また、普段の当たり前が違った視点で見ることができて、とても新鮮に感じました。
他大学では身につけられないこの学びは、きっと恵泉の生徒である誇りになることでしょう。
これからの恵泉での4年間はこの園芸を通じて何か繋がりを感じたり、今まで自分が考えなかったような発見をすることでしょう。毎年同じ野菜を育てますが、どの年も、どの学科も、どの季節も起こることは様々で、きっと私が体験しなかったことも多くあると思います。是非楽しんでください。
英語コミュニケーション学科3年 伊井怜於奈さん
新入生の皆さんはじめまして。私からは、恵泉での英語の学びや海外語学研修に参加した経験についてお話したいと思います。
恵泉では、どの学科の学生も英語の授業があります。恵泉は少人数授業が特徴的なため一人一人が自ら英語を話す機会がたくさんあり、その経験が自分の英語の力を伸ばすことに大きくつながると思います。例えば、春学期には全学科1年生対象の英語のスピーチコンテストがあり、私はそこでクラス代表として大勢の前でスピーチをしました。すごく緊張しましたが、それが私にとって失敗を恐れず英語を話すことや学ぶことに対する自信となり、とても貴重な経験となりました。
また、私は昨年の2月に学校の海外プログラムを利用してカナダへ1か月間、語学研修に行ってきました。私にとってほぼ初めてだった海外での生活を前に、出発する前は自分が現地でちゃんとやっていけるか不安になっていました。しかし実際にカナダの大学に通って毎日英語漬けの生活をし、日本にいたら経験できないことをたくさん経験できたため、カナダで過ごした一日一日を本当に楽しく過ごすことが出来ました。この1か月間で英語力が上がったのはもちろん、異文化の中で生き抜くための自立心や積極性もかなり身についたと感じています。
恵泉は、自分を強くするための機会をたくさん与えてくれるので、新入生の皆さんにはぜひそのチャンスを掴んで、大学生活の中で多くのことを経験して欲しいと思います。恵泉は海外語学研修が豊富で、カナダ、オーストラリア、イギリス、韓国、中国、インドネシアなどと多種多彩です。自分の興味のある言語や文化を学ぶことは将来の可能性を広げるための良い経験になると思います。
最後になりますが、皆さんがここにいる恵泉の先生方や仲間たちと一緒に楽しい大学生活を過ごせることを願っています。
チャペルでの集いの後、学生ラウンジに移り、副学長(兼:教務委員長)の岩村太郎先生から大学での学びについて、また学年担任の4人の先生方から自己紹介を兼ねて学生生活支援についてのお話、そして、信和会(生徒会のことです)会長から新入生歓迎のお話がありました。そして、学科に分かれて、それぞれに懇親とランチのひとときを持ちました。
新入生の皆さんの恵泉での学生生活が楽しく実り多いものとなることを心から祈っております。