外部からいただいた嬉しい評価

2017年12月25日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

Merry Christmas!

嬉しいニュースです。
この度、「ひらく日本の大学」(朝日新聞・河合塾共同調査)で、恵泉女学園大学が社会科学系で「きめ細やかさ得点」が満点だった大学・学部として、全国13の大学の中の一つにリストアップされました(朝日新聞2017年12月12日 朝刊)
(ひらく 日本の大学)少人数ほど卒論・ゼミ必修化 社会科学系

「きめ細やかさ得点」の内訳は次の通りです。
課題解決型授業の実施/研究への参加/グループによる学修・発表を取り入れた科目教員との対話/学生間の対話を取り入れた対話型科目/リポート・試験へのコメント返却/卒業論文・卒業研究の必須化/専門ゼミの必修化/初年次ゼミの必修化/学生の活動記録・成績記録/学級担任制の導入

これに関連した外部評価をこれまでも本学はいくつかいただいてきました。

  • 入学後に生徒をのばしてくれる女子大 全国4位(参考1位:津田塾大学 恵泉は関東圏2位)
  • 小規模だけれど評価できる女子大   全国8位
  • 入学後に学生の満足度が高い女子大  全国9位
    出典:大学通信『大学探しランキングブック 2017』

なかでも「入学後に生徒をのばしてくれる女子大」という評価を、私たち教職員はとても嬉しく思い、大切にしています。

次の言葉を私はオープンキャンパスで高校生たちにいつも語っています。

"若い頃、高校生時代には自信がなくてもいいのです。若いときはみんなそう。
私もそうでした。今、あなたは"自分は未熟で、何もできない"と思っているかもしれません。
それでいいのです。そのことが大事です。自分の人生に謙虚に向き合い、自分の人生の入り口にしっかり立った証しなのです。そんなあなたにこそ入学していただきたい。そんなあなたを恵泉はしっかり受け止めます。そして、このキャンパスであなたらしく伸びてほしいと思います"

高校生に向けたこのメッセージを実現するために、本学は教育実践を重ねてきました。
とりわけ私が学長に就任してから「生涯就業力を磨く」ことを目標に掲げて、恵泉女学園大学独自のプログラムとサポート体制を築く努力をしてきましたが、それがこの度の「ひらく日本の大学」の評価につながったのでしょうか。
その詳細は、大学のHP【生涯就業力を磨く。】にも記載してありますが、たとえば前述の「きめ細やかさ得点10項目」の内の"卒業論文・卒業研究の必須化"の背景には、人文・社会科学領域の学びを主とする恵泉女学園大学教育の特徴である「少人数教育」と「初年次からの徹底したゼミ指導」があります。

女子教育というと近年は、科学技術の実用性への期待が高まる中、理数系教育が重視されがちですが、人文・社会科学系の学びの意義にも、もっと光が当てられる必要があると私は考えています。人間と社会を研究対象とする人文・社会科学が探究する知は、人間存在の本質につながるものだからです。
社会のニーズに沿った技術開発の方向性を見出すためにも、過去の歴史に学び、人々の精神生活を豊かなものとする人文・社会学の学びを大切にしたいと思います。

そして、10人前後の学生が教員と共に4年間を通して学ぶゼミでは、 少人数だからこそ安心して自分の意見を発表し、また他の人の意見も真摯に傾聴する態度が養われます。「違いは認める。しかし否定せず」の心を恵泉の学生たちは身につけているのです。

こうした本学の学びを通して、学生たち自身が"私たちはこうして成長した"と礼拝の感話などでよく語っています。その一例*がこれも大学のHPに掲載されていますので、ご覧いただければ幸いです。
【『生涯就業力』を育んだ私の歩み】

恵泉女学園大学の少人数教育は、ただ人数が少ないだけではありません。一人ひとりが大切にされる関係の中で、互いに信頼関係を丁寧に築く力を養っています。卒業論文・卒業作品はその集大成であることに意味があると考えています。
(写真は毎年恒例の卒論提出光景と、私のゼミ生たちの卒論です)。

今回の「ひらく日本の大学」(朝日新聞・河合塾共同調査)評価はとても嬉しいことですが、本学の教育改革は発展途上です。
私が学長に就任した2016年のメッセージは「恵泉女学園大学は変わります」。2017年が「恵泉女学園大学は変わり続けています」でした。来るべく2018年は、「ここまで変わりました!」とさらに実り多いご報告をお届けできるよう、今回の評価を励みとして、教職員、心を込めて教育に力を注いでまいります。

この一年、本ブログをお読みくださいまして、有難うございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。