「生涯就業力STEP授業」について学生たちの振り返り

2019年12月02日
恵泉女学園大学学長　大日向雅美

9月末にスタートした秋学期も半ばを過ぎた11月中旬、「生涯就業力STEP授業」での学びについて、学生たち自身が振り返る時をもちました。
秋学期の「生涯就業力STEP授業Ⅱ・Ⅳ」について

1年生、2年生が一堂に会しての振り返りでしたが、初めに一人ひとりがコメントペーパーに向き合って静かに振り返る時を持ち、その後に小グループに分かれてディスカッションを行い、最後にグループの討議内容を全体会で発表するという段取りでした。
本日はその時の様子についてご報告させていただきます。

1年生の振り返り

1年生はSTEP授業だけでなく、"恵泉に入学して学んで、発見したこと・気づいたこと・良かったこと・嬉しかったこと"を中心に振り返ってもらいました。

多くのコメントペーパー・グループディスカッション報告に共通していることは、教師との距離の近さと友人関係の温かさでした。
「先生たちがとても親切で、名前を覚えていてくれて、いつも話しかけてくれる。悩んだときは相談にのってくれてとても心強い」
「友人がみな優しく、助けあえる雰囲気がある」など、

ただ、教師や友人とのフレンドリーな人間関係に安心感と喜びを覚えているというだけでなく、それが大学での学びの姿勢や視野の持ち方に結びついていることを報告する声もたくさんありました。
「たくさんの友人や先生方と身近に話すことで、コミュニケーション力に自信がついた」
「先生ごとに平和のとらえ方が違うため、学んでいくのが面白い」
「自発的に行動する大切さに気付いた」
「違う価値観を理解できるようになった」
「留学生が多いので、異なる考え方や異文化コミュニケーションにつながる力をつけられる」
「高校時代と異なり、大学は自分自身で決めて行動する力の大切さに気づいた」等々。

2年生の振り返り

2年生は、"春からのSTEP授業を振り返っての学び・発見・気づき・良かったこと・嬉しかったこと"等、ダイレクトに「生涯就業力STEP授業」についての振り返りをしてもらいました。主な声は次の通りです。

「将来、社会に出てからのことや人生について」

• 将来のことを考えて、今何をすべきか、外部講師のご講演により自分のこれからを考え直せた
• ライフプラン、お金の正しい使い方、貯金、クレジットカードの怖さなどについて、具体的に考えられるようになった

「就活、社会にでる意義について」

• データ、統計、SPIの大切さに気づけた
• 一技講座（姿勢、マナー、書き方、防災、発想法、話し方、写真の撮り方・撮られ方）の学びがとても役に立った
• 林文子横浜市長の仕事に対する姿勢や人間関係のあり方などが印象的だった
• 自分で情報を取捨選択する力が身についた
• 恵泉の学びが、生涯をかけて就業するために必要なことをさまざまな面から支援してくれていることを実感できた
• 好きなことを仕事にできるように力をつけておくことの必要性を痛感した
• 社会における女性の存在意義と活躍について、自分のこととしてイメージできた

「恵泉の学びの特徴について」

• ３つの礎科目である聖書・園芸・国際についての学びの意義を再認識した
• 同窓会の先輩方のお話から、恵泉の歴史と存在意義について考えることができた
• 恵泉の伝統を受け継ぐ大切さと共に、本当に受け継ぐべきは伝統に込められている心だと理解した
• さまざまな境遇の人の話を伺い、良い刺激になった
• 多くの留学生や外国人とふれあう機会を通して異国の文化を学ぶ機会や意欲が増した

「生涯就業力STEP授業のあり方について」

• 授業の目的や他の授業との結びつきに気づくことができた
• 春学期に出した学生の意見が秋学期の授業に反映されていて嬉しい。講義だけでなく参加型となる授業が増えてやりがいを感じるようになった

一方、次のような厳しい意見も率直に届けられ、教員にとっても貴重な振り返りの時となりました。

• この授業の意味が感じられない
• 自校教育に時間を割きすぎるように思う
• 全く役に立たなかったということでもないが、先生がたが意図されているような学びが得られたとは思えない

教員たちはそれぞれのグループの見守りをしながら、適宜、話し合いにも加わることで、学生たちの考えを改めて間近に感じることのできたひと時でした。