再び、在学生・新入生の皆さまへ ~外出自粛要請下で~

2020年04月13日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美

4月7日、安倍総理から新型コロナウィルス感染拡大の予防対策として緊急事態宣言が発令されました。この発令を前にした4月6日夜、小池都知事の緊急会見が行われ、東京都としての対処方針が伝えられました。その中で改めて3つの「密」(密閉・密集・密接)を避けることと、一層の外出自粛要請が伝えられました。

外出自粛要請は感染拡大予防のための大切な措置です。
「あなた自身を守るため・あなたの家族を守るため・あなたの大切な人を守るため・そして、この社会を守るためです」という知事の言葉は、多くの人の胸に響いたことと思います。

先週のこのブログで、私から在学生・新入生の皆さまへのメッセージを送りましたが、今日、再びのメッセージです。
"未来を生きる皆さまは、その未来の社会を守ることも託されている"
そのことを改めて心にとめていただけたらと願っております。

ひと月近くの外出自粛は、これまで日本人のだれもが経験したことのないことと思います。
皆さまの何倍も生きてきた私にとっても、初めての経験です。
どう過ごしたらよいか、戸惑いも少なくないことと思います。

こういうときだからこそ、「内省」の時間を大切にして見ませんか。
「内省」とは、現実を冷静に、客観的に振り返りながら、自分自身を見つめることです。
<これまでにご自身が経験したこと><今、目の前に起きていること><これから起こるであろうこと>について、深く考え、その中でご自身は何を思い、どう行動したのか、これからどう行動したいのか、ご自分の部屋の中で、一人静かに考える時を繰り返し持ってみてください。

それは孤独な作業です。
でも、人は孤独な環境に身を置いたとき、必ずや他の人を想うということが心理学の定説として言われています。身近なご家族との関係、小中高校時代の友人や今の大学生活で得た友人や知人等々・・・。こうした人々への想いが、おそらくこれまで想像しえなかったほどに深く皆さまの胸に沸き起こることと思います。

新型コロナウィルスは私たちに与えられた極めて過酷な試練ですが、この試練の中で、身近な人はもちろんですが、国を超えて、今、この地球上に生きている他者を想う心を育むことが、世界中の人々を苦しめているウィルスに打ち勝つ手段です。
「汝の光を輝かせ」と言われた恵泉女学園創立者の河井道先生の言葉を思い出して、この暗闇に確かな光を注ぐ人となっていただけたらと願っています。
「国際性」で高い評価*を得ている恵泉の学びの真価を、今こそ発揮するときです。

*本学は『THE 世界大学ランキング 日本版 2020』の「国際性」の分野で、首都圏女子大1位(2位は津田塾大学)の大学となりました。
この調査は英国の教育専門誌 Times Higher Educationがベネッセグループと協力して日本の大学を調査したものです。恵泉は「国際性」の分野で、首都圏女子大では、2017年以来4年連続で1位となっています。

新入生の皆さまには、一日も早くこうした恵泉の学びのスタートを切っていただきたいと願いながら、それがままならないことが残念でなりません。
皆さまには、昨年、夢ナビライブで、「大学での学びとは~賢く美しい女性になるためにたった一つの大切なこと」と題して行った私のビデオ講義をご覧いただければと思います。

最後に、今のキャンパスの写真です。学生の姿のないキャンパスはとても寂しいです。
皆さまが学ぶ姿を思い出しながら訪れた図書館の特設コーナーは『未来をひらく若者』でした! 図書館スタッフの皆さまへの想いも、ここにお届けいたします。

それでは、皆様の元気な姿でこのキャンパスが賑わう日が一日も早く訪れることを祈っております。