学生からの嘆願書に応えて
2020年06月01日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
緊急事態宣言が解除されましたが、新型コロナウィルスが終息したわけではありません。
第2波・第3波に向けて引き続き慎重な予防対策が求められているところです。
一日も早く学生たちと対面で学びを分かち合えることを全教職員が待ち望んでおりますが、そのためにも感染症再拡大防止を最優先として、今学期はオンライン授業を継続していく決断をいたしました。
そうした中、学生有志から『学費減免を求める嘆願書』(5月20日付け)が学長あてに届けられました。
書面にはこの署名活動を始めた経緯と要望内容が整理した形で綴られていました。
学生たちがこうした形で自分たちの意志をまとめ実名で大学に届けてくれたことを、私はとても貴重なことと受け止めたいと思います。大学を信頼しているからこそのことと考えます。書面の末尾に「最後になりますが、この署名活動は大学を批判するものではありません。未曾有の事態に対しインターネットを利用したオンライン授業への移行等、教職員の皆様が授業開始に向けた準備に尽力されていることに感謝申し上げます」と記載されています。
学生の声に真摯に耳を傾け、相互の信頼関係を大切にした対話を重ねていきたいと考えております。
新型コロナウィルス感染拡大に伴う学費の問題については、すでに4月25日に、大学のHPに告知*していたところですが、私から改めて以下のように学生たちに返信をいたしました。
*【新型コロナウィルス感染症対応にかかわるお知らせ】
4月25日 学生・保証人の皆様へ――学費と教育の質保証についてご案内
先般5月20日付の嘆願書を拝受し、経緯と要望について確認いたしました。
まず、学生の皆様が大学の教育活動に関心をもって積極的に行動されたこと、大変嬉しく思いました。
お声を届けてくださったことにも感謝申し上げます。
一方で、大学は4月25日付で学生の皆様に向けて@Kおよび公式ウェブサイトのお知らせにて、学費に関する見解を表明しております。今回お届けくださった中にはこちらへのご意見が見られませんでしたので、もしまだご覧になっておられませんようでしたら、ご確認いただいてぜひご意見をお寄せくださると有難いです。
参考:公式ウェブサイト「学生・保証人の皆様へ――学費と教育の質保証についてご案内」
そのうえで、大学はまだこの新型コロナウィルス感染症に対する危惧を持ち続けていることもお伝えしたいと思います。
春学期すべての授業を遠隔で実施することを決めたのち、5月25日に緊急事態宣言が全面的に解除されました。本学としてもこのウィルスが一日も早く鎮静化し、秋学期から対面での授業を開始できることを心から祈り願っておりますが、今後の社会状況はいまだ不透明です。場合によっては、秋学期には新たに、集密を避けたより安心・安全な環境整備が求められたり、学生の皆様への別の支援が必要になったりするかもしれません。いまだ予測不能な状況であるからこそ、とりわけ今年度は長期的視野を持って教育活動に係る経費を大切にお預かりしておく必要があるのです。
とくに学生の皆様に対しては、年間を通じて最終的に何をどのように還元できるのかを考えております。そのようなことから現時点では、ご要望について即時対応はいたしませんこと、ご理解いただけますようお願いいたします。
なお、大学は学生の皆様の声に耳を傾けていくことを大切にしております。今後もいつでも皆様と対話していきたいと願っておりますので、遠慮なくお声をお寄せください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2020年5月28日
恵泉女学園大学
学長 大日向雅美
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