協定留学生のオンライン送別会
2020年08月24日
恵泉女学園大学学長 大日向雅美
昨年の9月に、1年間の予定で来日した協定留学生がまもなく本国に帰国することとなり、先週の火曜日(8月18日)に多くの教職員や学生たちが参加してオンライン送別の会をもちました。
今回帰国するのは、中国の杉達学院大学から4名、台湾の世新大学から1名の留学生です。
国際交流委員長 楊志輝先生(専門:国際政治・日中関係)の司会進行のもと、まず、この留学生たちが日本に到着してからさまざまな場面で撮影したスライドの紹介がありました。
この後、5人の留学生からメッセージがありました。1年間の留学期間のうちの半分は、この春先からの新型コロナウィルスの世界的感染の影響を受けて、登校することもままならない環境で過ごした学生たちですが、異口同音に恵泉での日々がとても楽しく充実していたこと、また日本に来たいと語ってくれました。
・1年間があっという間でした。海外での暮らしも一人暮らしも初めてで、わくわくすると同時に不安もいっぱいだったけれど、たくさんの人との出会に恵まれて、とっても幸せでした。
・恵泉は多様性を尊重してくれるところ、そして愛に富んだキャンパスでした。
・勇気と憧れを胸に日本に来ました。最初は日本語を学ぶつもりでの留学でしたが、この1年、いろいろな人とふれあう喜び、自分を大切にすることを学び、そして、両親への感謝の気持ちを改めてもつことができました。そして、どんなことでも自分で考える大切さを学びました。
・日本でたくさんの友達ができたことが何よりもうれしかったです。別れは寂しいけれど、別れは新たな人生の旅と言います。恵泉での日々を胸に、一期一会を大切にしながら、また新しい人生の旅に出ます。
・中国にいる両親や家族のことが心配で、何度も泣きました。辛い時、困ったとき、先生方、友達、アパートの大家さんなど、本当にいろいろな人に親切にしてもらって、心から感謝しています。留学に来たときの気持ちを忘れずに、国に帰ってからも頑張ります。
そして、また日本に帰ってきたいです・・・等々。
続いて、参加した先生方からもお別れの言葉が送られました。
・新型コロナウィルスの影響で、半期がオンラインになってしまって、どんな思いで過ごしているのかと本当に切なかったです。それでも恵泉に来て良かったと言ってもらえて、胸がいっぱい。ゼミで「私にとって生きる力とは」という感話を綴ってもらったときには、母語でも難しい課題なのに、日本語で懸命に頑張りましたね。皆さんの自分を見つめる力に感動したことを忘れません。
・今、国際関係が非常に緊張しています。でも、国どうしがどんなに緊張関係にあっても、こうした人と人との出会いがなによりの安全保障につながること、世界平和は皆さんのこうした関係から確かに紡がれていくということを実感しました。皆さんと学べたことは私の大きな励みでした。
・恵泉は多様性に富んでいると言ってくれて嬉しい。でも、恵泉の多様性はこうして皆さんが来てくれているからこそ、恵泉の多様性を築いてくれているのは皆さんです。ウィズコロナ時代は、国境を越えた連帯で乗り越えていきましょう・・・等々。
見事な日本語で、そして、心のこもったメッセージを送ってくれた留学生たちの成長した姿に涙を流す教員、また当日は都合で参加できない教員たちからはメッセージカードも寄せられて、心温まるオンライン送別のひと時でした。
オンライン送別会に先立って、留学生たちが短い時間でしたが、学長室を訪ねてくれました。
本多洋子先生(専門:花の利用・花と生活)お手製のプリザーブドフラワー(バラ)と私の新著『女性の一生』をお別れに贈りました。「折角、いらしたのに、コロナ禍の影響で多摩キャンパスでの生活を十分に味わっていただけなくて残念でしたね」と言いましたところ、即座に「この半年、オンライン授業を受けることができて、とても楽しかったです」という言葉を返してくれて、私も胸がいっぱいになりました。
ご両親・ご家族が待ちわびているそれぞれの国に無事、帰国されることを、そして、これからも恵泉で過ごした日々、ふれあった人々との絆を大切にしてほしいと願っております。
この1年間、とりわけコロナ禍で大学が閉鎖となったこの半年の間も、親身に留学生の世話に尽くしてくれた楊先生はじめ諸先生方、そして事務局の皆様に心から感謝しております。